マナーうんちく話604≪武士は食わねど高楊枝≫
「お客様は神様です」。
中年以降の方はよくご存知だと思いますが、日本を代表する演歌歌手、南春男の有名なフレーズです。
しかし、この意味は、「神様に祈る時のように、雑念を払い、真心こめて、一生懸命しなければ芸ではない」と言う意味で、決して「客は金を払う立場だから、何をしても良い」ということではありません。
お金を支払って、買い物をする側にも大切なマナーがあります。
先ず理解して頂きたいことは、すでに何度もお話ししましたが、物を「売る側」と「買う側」には上下関係は存在しないと言うことです。
すなわち、「売り手」と「買い手」は平等だと言うことです。
売る側はお客さんに喜んでいただくためにサービスを提供します。
当然、買う側はこのサービスを受ける立場ですが、サービスを「提供する側」と「受ける側」がスムーズにいくための潤滑油がマナーなのです。
売る側は、客に満足して頂くために接客マナーを身につけなくてはいけませんが、買う側も、買い物に行けば当然それなりのマナーが必要だと言うことを認識して下さいね。
例えば、フレンチレストランにディナーを食べに行く時には、服装やテーブルマナー等が要求されるように、ショッピングにもマナーは必要です。
決して不必要に、我慢したり、堅苦しく考えることではありませんが、必要最小限のマナーは心得ていたいものです。
それが結果的には、より買い物を楽しむことになります。
例えば、ブランドショップでもカジュアルな店でも、来店すると「いらっしゃいませ」と言う歓迎の言葉をかけてくれます。
この時に笑顔で、「今日は」「お邪魔します」等の挨拶を是非返して下さい。
日本人は、この挨拶が苦手な人が多い気がします。
また、ブランドショップ等には、それなりの服装で行かれることをお勧めです。手も清潔にして下さいね。靴も大切なポイントです。
一人か少人数で行き、何を求めているのか?予算はいくらくらいか?最初に応対してくれたスタッフに気軽に声を掛けることもお勧めです。
また、分らないことは色々と聴くことです。
入店時に店のスタッフに明るく挨拶をして、最初に応対してくれたスタッフと最後まで付き合って、帰る時には担当してくれたスタッフの名前を覚えて、「ありがとうございました。お陰でいい買い物ができました。今後ともよろしくお願いします。」などと、丁寧にお礼が言えて、笑顔で支払いができる人は最高の買い物美人です。
そして次回に行く時には、其のスタッフに名指しで予約を入れることです。
意外に得することが多いですよ。
ホテルのフレンチレストランで働いている時に、このようなお客様と接する機会に恵まれました。
勿論大金を使って下さるお客様も有りがたいのですが、素敵なマナーを発揮して下さるお客様は心に響くものが多々あり、多くの事を教えて頂きました。
スーパーでもブランドショップでも、基本は、入店時の挨拶と帰る時のありがとうの言葉です。これだけでかなり好感が持たれます。
部下や子供同伴の時、あるいはデートの時等には特に実行して下さいね。