マナーうんちく話499≪習慣は第二の天性なり≫
日本人と欧米人の感性の違いは多々ありますが、トイレもその典型的な例ですね。
外国旅行を経験された方は良くご存知だと思いますが、日本のトイレ事情も近年急激に変化し、今や公衆トイレにしても世界屈指ではないでしょうか?
ちなみに、日本でも公衆トイレはすでに江戸時代には存在したそうです。
当時、糞尿は野菜づくり等の肥やしとして大変重宝されていましたので、寺社仏閣などの、人通りの多い場所の「公衆トイレ」や、長屋などの「共同便所」は、貴重な現金収入になったわけですね。
そして、今のように地方自治体が管理する公衆トイレは明治になって設立され、公衆衛生の普及と共に目覚ましい普及をとげ、今や世界屈指になりました。
「食べたら出す」。
人間が生きていく上で一番基本的な行為ですが、実は排泄行為に関するマナーも、食べることと同じように、とても大切なわけです。
マナーの表現方法はその国々の国民性、気候風土、文化、歴史、宗教により異なりますが、トイレに関する感性も同じです。
当然、トイレの形式や使用方法やマナーも大きく異なりますが、ここでは日本のトイレ事情に触れます。
ところで、今や日本でも洋式トイレが大半を占めていますが、この洋式トイレの使用後、貴方はふたを閉めますか、明けたままにしますか?
これには厳密なマナーは有りませんが、「明けたらしめる!」と言う日本式の感性で、私はふたを閉めるようお勧めしています。
では、トイレを使用し、洗面所で手を洗います。その際水が飛び跳ねました。
この時あなたはどのように対処しますか?
殆どの人はそのまま洗面台から離れますが、飛び跳ねた水を、自分のハンカチや備えつけのペーパーなどで、ふき取れる人は最高です。
トイレがすんだら、気分がすっきりし、やれやれとなるわけですが、自分がホット落ち着いたら、後に続く人が、快適に使用できるよう、心配りができる人は、大変立派な「マナー美人」です。
子ども連れのお母さんには、是非お勧めしたいマナーです。
子どもにとっても大変貴重な教訓です。
そして、誰も見ていないところで、まだ見ぬ人のために、心配りができる。
こんな心のゆとりがある人は、とても幸せな人だと感じます。
さらに、手を洗う際に「節水」を心がける人も、素晴らしいマナー美人です。
公衆トイレは、我が家のトイレではないので、水をいくら使用しても痛くもかゆくもないのですが、そこで、あえて節水ができる人も素晴らしいです。
日本の公衆トイレには、とても奇麗な水が流れています。
地球上には、安全な飲み水に不自由している人が10億人以上存在します。
その人達から見れば羨ましい限りです。
「節電」は今や当たり前になりましたが、水の資源にも、心が届くようにしたいものですね。