マナーうんちく話520≪電車内でお化粧するの、どう思う?≫
小さい秋があちらこちらで根付いてきましたが、まだまだ暑い日が続き、ハンカチが離せませんね。
もともとハンカチは、身嗜みとして日常的に用いられる四角い布ですが、その起源は、ヨーロッパの女性が頭に巻く布「カーチフ(kerchief)」です。
そして、手に持ったのが「ハンカチーフ(handkerchief)」で、首に巻いたのが「ネッカチーフ(neckerchief)」と言うわけです。
17世紀にはそれが男性にも広がり、「ポケットチーフ(pocket chief)」として、スーツの胸ポケットに差して愛用されました。
日本には明治維新後、洋装がもたらされたのに伴い、高貴な人達の間で広まりました。それまでは、おなじみの「手ぬぐい」を使用していました。
ハンカチは、ヨーロッパでも日本でも、最初は高貴な人達の間で使用されていましたが、日本の手ぬぐいは、身分を問わず、広く用いられた、ちょっと粋な小物ですね。勿論今でも愛用者は大勢います。
ところで、ハンカチを今のように四角に統一した人物をご存知でしょうか?
マリー・アントワネットです。
彼女が社交界にデビューしたのは18世紀後半ですが、その当時のハンカチの形は実に多種多様で、彼女はそれが気に入らず、夫であるルイ16世に申し出て、「ハンカチは四角にするべし!」というお触れを出したと言われており、それ以降ハンカチは今のようになったと言われております。
ちなみに、宴会などでよく使用される乳房の形をしたシャンパングラスも、彼女の胸がモデルになったそうですよ。
さて、気にいった人と話をする機会を作る、「ハンカチお落とし作戦」と言うのは良く聞きますが、それは別として、「あなたの前を歩いていた人が、何かの拍子でハンカチを落としました」。この時あなたはどう振舞いますか?
①見知らぬ人だから、黙ってそのまま見過ごす。
②「ハンカチが落ちましたよ!」と言って声だけ掛けてあげる。
③「ハンカチが落ちましたよ!」と言って、落ちたハンカチを拾って渡してあげる。
④「ハンカチが落ちましたよ!」と言って、落ちたハンカチを拾って、さらに埃を払って渡してあげる。
大抵の人は②か③ですが、④の行動がとれる人は立派な「マナー美人」で、常に誰とでも、良好な人間関係が築ける人です。
落ちたハンカチを拾って、埃を払う行動はほんの数秒です。
この一瞬の気配りは些細な行動のようですが、ハンカチを落とした人には、とても好印象を与えます。
日本は世界屈指の、物質的に豊かな国です。
落とし物の数も種類も年々増えています。
しかし、落し物をしても届け出をしたら、殆どの割合で、それが帰ってきます。
日本は素晴らしい国ですね。