マナーうんちく話53≪接客の歴史と社会貢献≫
「岡山マイベストプロ」に登録し、マナーに関するコラムを発信して2年になろうとしております。毎回多くの方々にご覧いただき深謝いたしております。
そして、今後ともよろしくお願いいたします。
お陰を持ちまして、私のページを訪れて頂いた人数も着実に増加し、それにつれてマナーに関する質問や講座・講演依頼も沢山いただくようになりました。日本を代表する企業・中小企業・各種団体・学校・組合・地域・行政・病院関係・公民館・カルチャー教室等など様々ですが、中には思わぬところから大変ユニークな講演依頼を頂くケースも結構あります。
最近は、県内のみならず県外からの依頼もあり、対応に追われる時も有りますが、マナーのプロとして感じることは、「新入社員・職員、中堅社員・職員に正しいマナーを修得させたい」、「職場の雰囲気を明るくしたい」、「接客・接遇のスキルアップを図り売り上げを伸ばしたい」、「CS運動の一環として」、「他社との差別化を図りたい」と希望する事業所が増加しているようです。
「不景気で売り上げが停滞している」、「首を絞めるような価格競争はもう限界」、「製品や技術力だけでは不安」だと言う声が聞かれる状況下において、マナー教育に着目されることは誠に理にかなっていると思います。
加えて、最近の雇用形態の在り方にも問題が有るようです。
同じ職場で、一方は正社員、一方は非正規社員の場合は、正直言って、職場における良好な人間関係を築くのはとても大変です。
同じ仕事をして、給料や福利厚生面で差が生じるので無理もないと思います。
私も非正規社員の割合が多いホテルで管理職をしていましたから、身に沁みて解ります。
このような場合は、本音と建前を使い分ける必要性も、時としてあります。
また、部下を管理する前に自分自身がダメになってしまうケースも有ります。
さらに深刻なのは、最近顕著になって来た、絆の希薄化です。
日本は世界でもユニークな「新卒制度」があり、学校を卒業すれば、仕事の経験やスキルは無くとも、企業や行政機関等で採用してくれます。
勿論、採用に至るまでの基準や条件は様々ですが、殆どの卒業生はこの制度のお陰で就職できます。
問題は就職してからです。
今、早期離職する若者が大変増えています。
高卒と大卒とでは状況が少し異なりますが、いずれにおいても、就職してから3年以内に離職する人の割合が3割を超えています。
とても由々しき状態です。
そして、その8割以上は、当事者にコミュニケーションスキル等の問題が有ると言われていますが、迎える側の先輩や上司にも、その責任の一端は有ると感じます。要は迎える側にもコミュニケーションのスキルは必要だということです。企業のみならずあらゆる職場でも、同じことが言えると思います。
加えて、「新型うつ」の問題も浮上してきています。
これは、先輩も上司もどのように対応していいのか非常に困惑します。
このように、販売戦略の一環としてのマナー研修の他に、先ず、内輪の環境改善のためのマナー研修が増えているように感じます。
これはとても大切なことです。
職場での良好な人間関係が築けなくては、良い仕事はできません。
改めて、職場の雰囲気をチェックしてみられては如何でしょうか?
また、家庭を持たれている人は、家庭の環境をよくすることが先です。
家庭内で挨拶が無ければ、職場でも明るい挨拶はできません。
夫婦間にわだかまりが有れば当然仕事にも悪影響を与えます。
まして、理想的な接客や接遇は無理ですね。
自分の家庭や職場の雰囲気が、いまいちだと思われたら、マナー研修を検討されたらいいと思います。
大切な事は、知識としてマナーを把握して頂くのではなく、家庭や職場で実践して頂くことです。そのためには、「なぜこうする必要があるのか?」、理屈をキチンと理解することです。
そして職場全員で取り組むことが大切です。