マナーうんちく話251≪電話のかけ方のマナー≫
6月の事を「水無月(みなづき)」と呼びますが、これは、農作業(主に田植え仕事)が「みな尽きる」、あるいは、少し前に植えた農作物が「みな着く」という意味ですが、いずれも旧暦を基準にしていますので、新暦の今頃とはマッチしないところも多々あります。
「晴れの国」岡山では、県北地方はすでに田植えが終わっている所も有りますが、県南ではこれから本格的な田植えシーズンに突入し、いよいよ農繁期です。
神様どうか今年も豊作になりますように・・・。
そして、今年はクールビズが5月から始まりましたが、本来は6月から「衣替え」です。
気候により服装を変えるのは、四季が明確に分かれている日本ならではの習慣で、その歴史は大変古く、平安時代における貴族社会の風習に起因します。
ちなみに、欧米諸国では「服装のマナー」は時間により変わります、例えば昼と夜です。欧米諸国の服装が、アフターヌーンドレスとかイブニングドレスのように、着る時間帯により異なるのに対して、四季の美しい国日本の服装のマナーは、季節により決まります。
例えば、和服の世界では、6月と9月は「ひとえ」、7月と8月は「絽(ろ)」、10月以降は「あわせ」のようになります。「ひとえ」とは「単衣」で裏地がありません。
「あわせ」は「袷」で裏を付けた衣服という意味で、「絽」は織り目を透かした絹布です。
クールビズは涼しくて楽で、さらに一人ひとりが省エネルギーについて真剣に取り組むので良い面も多々ありますが、反面だらしない感はぬぐえません。仕事の面においてはなおさらです。服装も電話も仕事上ではキチンとしたいものです。
今回は、「電話の受け方のマナー」についてです。
電話の「受け方」には「かけ方」と同様、大切な基本的な流れが有ります。
①電話が鳴ったら、出来るだけ早く出て下さい。
「相手を待たせない!」。これはとても大切です。出来れば3コール以内で出て下さい。
「お電話ありがとうございます。平松産業でございます」or「はい、平松でございます」等と、ゆっくり、相手に聞き取り易く名乗って下さい。明るく丁寧がポイントです。
※ここで、3コール以内で出られなかったら、「お待たせいたしました」と、ひと声入れると好感が持たれます。
※5から6コール以上の場合は、「大変お待たせいたしました」に変わります。
決まりは有りませんが、職場で統一されることをお勧めします。
②相手の名前を確認し、名前を復唱し、相応しい挨拶をして下さい。
「岡山商事の山田様でいらっしゃいますね、いつもお世話になっております」のように。
※自分が山田さんにお世話になっていなくても、会社全体で、あるいは他の人がお世話になっている可能性が高いので、「お世話になっています」と言う言葉は大切です。
※相手が名乗らなかったら、「失礼ですが、どちらさまでしょうか」と言って、丁寧に名前を聞いて下さい。
※名前が聞き取りにくかったら、「恐れ入りますが、もう一度お名前をおねがいできますでしょうか?」と丁寧に聞きなおします。
※同じ社内の人だったら、「お疲れ様です」のひと言を発して下さい。
③相手の用件を聴く。
メモを取りながら
「復唱させていただきます。・・・でございますね」のように。
※この時点で、電話を他者に取りつぐ必要が有る場合は、この後のコラム、「電話取り次ぎのマナー」を参考にして下さい。
④受けての名前を名乗る
「お電話ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。わたくし、平松が承りました。」のように。そして「失礼いたします」の挨拶をして終わりです。
⑤静かに、相手が電話を切るのを確認して、切って下さい。
相手が切ったら、1,2,3と頭の中で3回数えて、受話器を置くことをお勧めします。
受けた電話を適切に処理して下さい。以上です。
以上が一般論ですが、ビジネスシーンで、お客さんに好感の持たれる電話の受け方は、「話し中を無くする」「待たせない」に尽きると思います。
特に個人企業の場合、かかってくる電話のほとんどは社長あてです。事務の方が取って、社長につなぐのではなく、社長自らが率先して電話を取ることをお勧めします。
馴染みのお客さんに、いちいち名前や要件をその都度尋ねたら、気分を害されるケースも有ります。臨機応変の態度が必要です。
電話の「受け方」は、非常に高度なスキルが必要だと思います。