マナーうんちく話250≪電話の応対のマナー≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:ビジネスマナー

電話で話しをする時、聞き取りにくい場合は多々ありますが、そんな時、皆さんはどのような対応をされますか。

1、「恐れ入りますが、電話が少し遠いようですが・・・。」とやんわりと伝える。
2、自分の声を小さくして、相手に声が小さいことを気づいてもらう。
3、直接、「声が小さくて聞こえません」とはっきり伝える。

日本が未だ経済成長期だった半世紀前と比較して、衣食住は著しくよくなりました、電話機しかりです。しかし電話機の機能も性能も進歩し、種類も増えたわりには、その応対の仕方は向上していません。

電話が広く一般国民に普及し始めた戦後間もない頃、当時の文部省の学習指導要領に電話応対の仕方があったことを、何かの本で読んだ記憶がありますが、現在は機械の進歩に、人の心が追従できてないような気がしてなりません。

そこで、今回は改めて、「電話の応対の仕方」に触れてみます
第一回目は「応対のマナー」、続いて「受け方のマナー」「かけ方のマナー」「取次のマナー」に順次触れて行きたいと思います。

病院でも、ホテルでも、役所でも、あるいは家庭でも、その電話応対は様々です。非常に感じの良い応対もあれば、無愛想で冷たい応対も有ります。
立った1本の電話でも、その応対次第で、職場や家庭全体の印象が大きく異なります。
感じよい応対の仕方を解説します。

○好感の持たれる応対のポイントは、「丁寧」「簡潔」「正確」です。
姿勢を正し、真摯な気持ちで応対して下さい。また、電話は、声だけのコミュニケーションです。顔が見えない相手だからこそ、丁寧な応対が必要です。
加えて、元気で、明るく、ハキハキト話すように心がけて下さい。
さらに電話は有料です。短時間で明瞭簡潔に、それでいて正確さが要求されます。特に数字等には細心の注意が必要です。

○声が聞きとれない時には、「恐れ入りますが、(申し訳ございませんが)電話が遠いので、もう一度お願いいたします」と丁寧に聞きかえして下さい。

※「電話が遠い」という表現は、「貴方の声が小さいのではっきり聞きとれません。もう少し大きな声でしゃべって下さい」ということを、遠回しに伝える慣用句です。
要は相手に対する思いやりだと、認識して頂ければ結構だと思います。

○内容の確認は大切です。必要に応じメモを取り、話し終えたら確認して下さい。

○感謝の心も大切です。相手は、忙しいにも関わらず、手を休めて電話を取っているかもしれないので、先ず電話を取ってくれたことに感謝です。

○基本的にはかけた側が先に切りますが、相手次第です。相手が大切なお客さんや目上の人であれば、相手の方から切って頂きます。

○通話中に電話が切れたら、基本的にはかけた方が再度かけなおします。これは、例え先方の不注意によるものでも、かけた側が再度かけなおします。但し相手が大切なお客さんや目上のひとであれば、こちらからかけなおして下さい。

○運転しながら、パソコンの画面を見ながら、新聞を読みながらの等の、「ながら電話」は甚だ感心しません。

○「電話で話す内容」or「直接会って話す内容」か、キチンとわきまえて下さい。

○笑顔で発する声を「笑声(えごえ)」と言いますが、これは相手にしっかり伝わります。レベルが少し高くなりますが、相手の印象はとてもよくなりますので、特にお礼とか、お祝い事とか、営業などではお勧めです。

○逆に、「失礼を詫びる時」等は、本当に申し訳ない気持ちで頭を下げながら、電話して下さい。誠意が伝わります。

○必要に応じて、最後に「思いやりの言葉」を、一言二言添えて下さい。

繰り返しになりますが、電話応対のポイントは、相手の顔が見えないので、横柄な態度を取るのではなく、「丁寧に!」がポイントです。

電話応対の善し悪しが、職場や家庭のイメージを大きく左右すると言っても過言ではありません。つまり電話で応対する人はその代表です。従って電話の応対ができない人に、「練習だから」と言って、無理やりに電話を取らせるのはお勧めできません。ご注意あれ!

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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