マナーうんちく話232≪形より心!名刺交換の目的≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:ビジネスマナー

仕事上では、最初の出会いの際に「名刺交換」をします。
大抵の人は、名刺の出し方・受け取り方を練習されたことと思います。
ビジネスマナーでもよくみられるシーンですね。

さらに、差し上げた自分の名刺を有効に生かして頂くために、色々と工夫を凝らしている方も多いのではと思います。
今回は、それらには触れず、少し視点を変えた名刺交換のお話しです。

ところで、その名刺交換ですが、何のためにするのか?キチンと認識されていますでしょうか?ここがとても大事です。
その目的は3つあります。

①相手に自分の事を理解して頂くため。
②相手の事を理解するため。
③互いに、名刺交換した者同士が、今後良好な人間関係を築くため。

初対面の相手に自分の第一印象をよくするために、「形重視」の名刺交換の風景をよく見かけます。殆どのビジネスマナーの研修会でも、この点を重要視しているのではないでしょうか?
勿論、名刺交換がスマートにできることに越したことは有りません。また相手に自分を売り込むこともとても大事だと思います。しかし、以前「話し上手は聞き上手」の話しをしましたが、これと同じ理屈で、自分を理解してもらうことよりも、先ず相手をきちんと理解するように心がけることも、とても大事です。

そのためには名刺を頂いたら、相手の名前をキチンと復唱し、その後の会話では、その都度相手の名前を呼ぶなどして下さい。先ず相手を理解し、相手を立てると言うことですね。

そして、名刺交換の最大の目的である、名刺交換した相手と、今後いかにして人間関係を築いていくかです。この時に、互いに自分のことばかりを売り込んでいたらこの目的は達成できません。
自分を売り込むより、相手の事を理解しようとする心掛けが大切になるわけです。

そこで、例えば自分流の「名刺整理帳」等を作成される事をお勧めします。
それには名刺を頂いた時に話をした内容や相手の情報をできる限り詳しく記入し、次回に会う時にそれを参考にして下さい。手紙・暑中見舞い・年賀状等を出す時にも大変重宝します。できる限り詳細な情報を記録して下さい。

後日その相手と有った時、相手は自分の事をそこまで覚えていてくれたら感激します。
私はホテルでの接客の仕事でしたから、お客様に配った名刺の数は半端ではありません。
しかし、お客様から頂ける名刺はその何分の一かになります。
だからその名刺はとても大切に管理し、有効に利用させていただきました。

次に、上手に名刺を整理したら、その相手と、とりあえず3回から5回位はコミュニケーションを図る努力をしてみて下さい。
いただいた名刺には、団体名、所属、肩書、氏名、住所、電話番号、ファックス番号、メールアドレス等が書かれてあるので、色々な手段でコミュニケーションが図れます。
早速それを生かさない手は有りません。

具体的には、礼状を出すとか、お礼の電話を入れるとか、暑中見舞いや年賀状を出すとか、相手に好都合な情報を提供するとか、方法は色々ありますが、ここで、いずれもそれなりのマナーが要求されます。

素敵なマナーを身に付けた人は、出会いの数だけ、その出会いを有効に生かすことが可能ですが、基本的なマナーが備わっていない人がいくら形に則った名刺交換をしても、其の縁を生かすことは難しいと思います。

日本の四月は新年度がスタートする出会いの季節です。
色々なシーンで素敵な出会いを多々経験されたことと思います。またこれからも多いにされることでしょう。
折角の出会いに、感謝し、そしてそれを最大限に生かすことができる人は、大変心豊かな人生が期待できます。

「袖振りあうも他生(たしょう)の縁」と言います。
全然知らない人と袖が少しだけ触れあうような些細な縁でも、それは偶然な出来事ではなく、前世からの因縁によるものである。だからどんな出会いでも大事にしなさい!という教えです。

名刺交換はその人との素晴らしい接点です。
名刺交換の意味をしっかり認識し、一つ一つの出会いをどうぞお大切に・・・。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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