マナーうんちく話587≪「ひょうたん」と「幸せ婚」≫
【冠婚葬祭の知識とマナー20】 良縁をさずかりに
10月は6月と共に「衣替え」の季節ですが、これは四季が明確に分かれている日本ならではの風習で、平安時代の貴族社会に端を発しています。何を着ようか?と迷われた方も多いと思いますが、衣替えにより、一気に夏から秋へ移行した気分になりますね。暑さに加え、節電を強いられた厳しい夏だっただけに、多彩な秋を充分に謳歌したいものです。
そして10月は「神無月」。
全国の神様が、縁結びで有名な出雲大社に出張され、神様が不在になる月です。
但し、出雲大社の有る島根県は、全国から神様が集合されるわけですから「神在月(かみありづき)」になります。
では、出雲大社に出張された神様は、一体全体どんな仕事をなさるのでしょうか?
具体的には、農作物に関する会議等も行われるようですが、主として、「誰と誰を結婚させるか?」という男女の縁を始め、人生の様々な縁結びに関する会議が中心になります。
例えば、「倉敷の30歳の太郎と、岡山の27歳の花子を、そろそろ結婚させてはどうか?」等というような話し合いが行われると伝えられています。だから、古くから、出雲地方は「縁結びの地」と言われ、縁結びの神様を祀る、出雲大社や八重垣神社等、由緒正しい神社が多く存在し、色々な行事が催されています。但し、それぞれ旧暦と新暦で行われる所がありますので、お出かけの際は事前に確かめて下さい。
ところで、私たちの一生は実に様々な「縁」との巡り合わせではないでしょうか?
そしてその縁の中には、人生を大きく左右する縁も多々あります。男女の縁や仕事の縁等は特にそうですね。また書物との縁が人生の分かれ道になる人もいます。
日本は、今年3月に「東日本大震災」という大惨事を経験しました。
地震・津波・そして原発事故と、今まで経験したことが無い3重苦を味わい、今、改めて、「人と人との絆」や「縁」の大切さが問われています。
そこで、素敵なご縁にあやかるため、出雲地方の「ご縁スポット」を訪ねて見られるのもお勧めです。「難婚時代」といわれる現在、幸せな結婚を祈願するため、拍手を打ち、参拝する人々で賑わっています。
勿論、「幸せ婚」を実現するには自助努力も、とても大切です。
しかし、人生、自分の力だけではどうすることも出来ないことがあります。
その、「自分の力ではどうすることもできない部分を神様にお願いする」、という気持ちでお参りされたら如何でしょうか?
勿論結婚に限らず、いろいろと素敵なご縁をさずかるためにも、ご利益があります。
「冠婚葬祭」のしきたりや作法は、神様の存在なくしては語ることはできません。
そのルーツが出雲には沢山有るような気がいたします。
私も2週間くらい前に参拝してきました。
只今、古事記編纂1300年を記念し、7月から11月11日まで、出雲大社周辺を主会場に「神話博しまね」が開催されているので絶好の機会だと思います。
ちなみに出雲大社の参拝の基本は「二排、四拍手、一排」です。
最後に余談事ですが、「ぜんざい」の発祥地は出雲だそうです。
全国から神様が集合された時に、赤い小豆(あずき)を煮て、餅を入れた「神在餅(じんざい持ち)」を祭時にお供えしたのが始まりだと伝えられています。