マナーうんちく話2231《幸せを呼ぶ挨拶の心得と作法《和顔愛語 先意承問》
マナーうんちく話86《家庭での食事会のマナー》
食事のマナー11、「ホームパーティーのお勧め」
前回は、ビジネス上の、外での接待のマナーについて触れてきましたが、今回は家庭に、お客様をお招きしたり、されたりする際のマナーを解説いたします。
「家にお客様をお招きする」という行為は、神経を使ったり、手間暇もかかるので、あまり好まれてないようですが、家庭で食事をともにしながら、情報交換し合ったり、親睦を深めあったりすることは非常に大切なことだと思います。少し考え方を変えていただき、ポイントさえつかんでいただければ、招いたり、招かれたりするのが楽しくなったり、喜びに替わったりします。
■家にお客様をお招きする時のポイント
○家庭を、全て秘密のベールで囲むのではなく、外に向けある程度オープンにされて見ては如何でしょうか。
○日頃の整理・整頓が大切です。この「食のシリーズ」で、日頃から、食卓をキレイにされることをお勧めしましたが、まさにその通りです。
○準備は早めに。当日は必要最小限にとどめます。
○食卓に花を
玄関、トイレ、食卓等、調和のとれた花が活けてあれば大変喜ばれること請け合いです。
食卓の花は、特に大きなポイントになります。
○席順を考えて下さい
和の雰囲気か、洋の雰囲気かにより異なりますが、年長者優先、レディファースト、男女交互の席次に心がけていただければと思います。
○食卓には奥様もぜひ同伴して下さい
日本では、家でお客さんを接待する時に、奥様は台所につきっきりになりがちですが、是非同席して頂き、積極的に会話に花を咲かせて下さい。
○楽しい会話を心がけて下さい。基本的には自慢話はしないようにして下さい。でも、自慢話をされたら、それをしっかり聴いてあげるのがマナーです。
○お見送りは、家の敷地と公道の境まで出て、丁寧にお送りください。
■家に招待を受けた時のポイント
○お洒落して下さい。お洒落は自分のためより、むしろ場を盛り上げるために必要です。
特に男性の場合、職場から直行になる時等は、特に注意して下さい。
○決められた時間より早めに行かない方がいいですね。ギリギリ位がお勧めです。
○お土産は基本的には不要だと思います。但し、其の後で、今度はこちらが招待するようになります。気が引けるようでしたらチョコレートや本等がお勧めです。
○招かれた家をしっかり拝見し、我が家の有り方を見直すのも良い機会です。
○招かれた家の主人や奥様の、話の内容や考え方も大いに参考にして下さい。
○備前焼・漆器などの置物、絵画や掛け軸等、日頃からいいものに触れて下さい。
○料理や酒類を美味しく頂く心得を修得して下さい。このコラムで、後ほど触れますので、是非参考にして下さい。あまりアルコールが強くない人は、その旨を予め伝えて下さい。
○もてなしを受けた後のお礼が、なにより大切です。
人と人とが出会い、円滑な交流を図るために、マナーが必要不可欠であるということは今さら申すまでもありませんが、中でも食事を共にする時に、「その心得」が、あるか、否かでは、雲泥の差が出ます。全ての国や民族を問わず、食事に関するマナーには格別なものが存在すると思います。
昔のヨーロッパの貴族たちは、我が家にお客様を招いたり、また招かれたりしながら、マナーを磨いてきたそうです。現在の家庭にもそのまま当てはまることだと思います。
家にお客様を招くことにより、家はより美しくなり、思いやりの心も自然に身につきます。また招かれることにより、その家の家風や考え方が大いに参考になります。