マナーうんちく話45≪接客・接遇の意義とやりがい≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:ビジネスマナー


マナーうんちく話45《接客・接遇の意義とやりがい》

接客・接遇マナー②「接客・接遇の意義とやりがい」

前回、接客・接遇の意味についてお話ししましたが、今回は接客・接遇の意義とやりがい、さらに、「接客って、楽しいけど結構難しいなー」ということを認識いただければと思います。

◆早速ですが、腕試しをしてみて下さい。
「あなたは、小さなストアのレジ係りです。レジからお客様の出入りは全て把握できます」、という想定で次の問いにお答え下さい。

問①自動ドアが開いてお客様が入店してきました。その時あなたが最初にしなければならないことは?

問②お客様が入店したら、「いらっしゃいませ」と声を発します。この「いらっしゃいませ」の意味は?(2つあります。)

問③お客様が買い物をして、レジでお金を支払いました。あなたはお釣りと品物を入れる袋を渡しました。その袋が一枚では足らなかったのか、お客様が「袋をもう一枚ください」と言いました。あなたはどう応えますか?(袋は無料でもう一枚さしあげることができます)。

問④お客様が買い物をして帰る時「ありがとうございます」と言います。では「ありがとうございます」の言葉を発する時のポイントは?

如何でしたでしょうか?現場経験の浅い人には難しかったかも知れません。
しかし、この応対次第であなたの好感度は大きく異なり、店の経営に大きな影響を与えます。答えが2つ以下ではリピーターになっていただく可能性は低いでしょうね。逆に3問以上正解の場合はかなり期待が持てると思います。最後に答えを用意しておきますので参考にして下さい。


◆接客・接遇に対する認識
接客・接遇に関する認識度は格差が大きいように感じます。以前は比較的認識度は低く、職場研修でもマネージメントや専門分野の研修が優先されていた感がありますが、今はあらゆる分野で、接客・接遇の大切さが見直されてきているように感じます。ただ依然として格差は大きいようですが・・・もっとも、福祉、医療、介護、教育などの分野にまで市場経済の原理が導入されれば、当然と言えば当然ですけど・・・
医療・介護・福祉の分野にまで市場原理が導入されたことに私は個人的には違和感を覚えますが、それにより応対が良くなることはいいことだと思います。


◆接客の意義
・ビジネスや組織の最前線で活躍する非常に大切な仕事です。
・接客・接遇次第でお客様の反応は大きく異なります。つまり職場(組織)に多大な影響をもたらし、そのイメージを大きく左右します。
・また接客・接遇の仕事は毎日が、人と人との交わりです。従ってこの仕事を通じて得た能力で、身近な家族、同僚、地域等に対しても好感の持たれる接し方ができ、波及効果は大です。
・誰とでも質の高いコミュニケーションが図れるようになり、心豊かな生活が可能になります。
・接客・接遇能力の高い人は、誰からも好感をもたれ、人が集まり、そこに新たなコミュニケーションが生まれ、その結果、色々な相乗効果が期待できます。
・接客・接遇はビジネスの原点であり、業務改善の重要事項になります。
・高度経済成長期と異なり、不景気、モノ余りの時代に突入している現在、新たな顧客作りが困難を極める中、既存のお客様を大切にする有効な手段です。


◆接客のやりがい
接客・接遇サービスは、なんといってもお客様に多大な影響を与えます。お客様の心に響く感じよい接客・接遇は当然お客様に喜びや感動を与え、ひいてはそれがあなたの喜びや生きがいにつながります。また職場全体が良くなります。さらに、時にはあなたの接客・接遇次第で、お客様があなたの大ファンになり素晴らしいチャンスを与えて下さるかも知れません。但し、接客・接遇の仕事に、この上ないやりがいをみいだすか、つまらないものにするかはあなた次第です。
その店のリピーターは、商品の良し悪しより、スタッフの接客・接遇にあるという調査結果も有ります。
加えて、毎日の接客・接遇の仕事を通じ、お客様のため、組織のために努力した分だけ、あなた自身の人格や能力も磨かれていきます。今まで経験したことのない気付きがあります。

私が33年間、脇目も振らずにこの仕事に精を出してこられたのは、ここにその理由があります。33年間しても飽きの来ない、奥の深い仕事です。
また私の経験から言えば、年齢、性別、職種、地位、立場等が異なる様々な人と接することで、辛いことやかなしいことも多々ありましたが、人に対する理解が大変深まりました。そして人間観察力が磨かれたことと、思いやりの心が身についたこと、良好な人間関係の築き方が理解できたことなど、得たものの方がはるかに多いかった気がします。

数えきれない出会いがあり、その出会いを通じ、多くのことを教えていただき、今なお仲良い交流があり、充実した生活が送れているのは、接客の仕事のお陰です。「若い時の苦労は金を払ってでもしなさい」と言われますが、苦労は確かに人間を成長させてくれます。

物質的に大変恵まれている日本では今、モノの豊かさより心の豊かさが求められています。その心の豊かさとは、すなわち「人間関係の豊かさ」です。接客・接遇の仕事は人間関係の豊かさを追求する仕事だと思います。
自信を持って、前向きに取り組んでいただければ仲間として嬉しい限りです。


◆腕試しの解答
問①⇒先ずお客様と「目を合わすこと」。笑顔も声かけも其の後になります。
問②⇒・お金を持って買い物に来ていただきありがとうございます。ORようこそおいで下さいました。・私はこちらにいます。御用の際はお気軽にお申しつけ下さい。
問③⇒「はい、かしこまりました」
問⑤相手の目をみて言うこと。








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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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