私たちは“記憶”が見せている世界に生きている

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:心理学コラム・心理トレーニング、テクニック

記憶といえば自分の中にあるもの、刻まれたもの
思い出など脳内に蓄えられているもので
記憶によって自己が形成されている。

つまり記憶を失えば
例えば認知症など自分を保っていられなくなり
障害が起こることによって生活に支障が生じたり
人間関係やこれまで築いてきたものを全て失うほどの
人生そのものと言っても過言ではないくらい大きな存在だと言えるでしょう。

しかし記憶については見解や定義、所見の違いが様々で
その正体(実態)については曖昧でよくわかってないと言えるのではないでしょうか?

それでは記憶とは一体何なんでしょうか?

まず言えるのは
皆さん記憶は自分のもの、自分の中にあるものだと認識されているかもしれませんが
実は共有物であると言えるんですね。

例えば自分の知らない(憶えてない)幼い頃の記憶でも
親や自分に関わる他人が憶えてたりして
決して自分だけが自分の記憶の全てを抱えているわけではないということ。

自分が憶えている記憶もあれば他人が憶えている記憶もあり
自分も他人も憶えている共有の記憶もあります。

更には同じ共有している(と思っている)記憶でも
自分の中にある記憶と他人の中にある記憶とは
少し内容が異なっていることも大いにあります。

そして記憶とは必ずしも固定されているとは限らず
曖昧であったり書き換えられているケースも考えられるでしょう。
(更新されたり常に書き換えられるもの)

そんな曖昧なもの(記憶)が自分だけの完全に固定したものであると考えてしまうと
もしかするとこの世界は全て偽りの世界なのかもしれません。
(記憶というものが世界や自分の世界観を作り上げているだけ)

このように考えてみると自分には自分の世界があり
他人にも他人の世界がある中で
これらの記憶の共有されている部分だけがこの世界を形成しているに過ぎず
私たちが本当に見ている、思い込んでいる世界とは
果たして本当の世界、=「現実」だと言えるのかどうかも怪しくなってきます。

では私たちが思い込んでいるこの世界とは一体何なのでしょうか?

今自分が見ている、自分に見えているこの世界とは
本当の現実は自分が認識している世界とは少し違っているのかもしれません。

とはいえ例え思い込みの世界であろうと
今現実に映っている世界観こそがこの世界(自分にとっての現実)でありますから
そしたら少し認識の仕方(捉え方)を変えてみることで
この世界の認識や受け止め方も変えられるのかもしれませんね。

これが心理カウンセリングの世界では
認知行動療法と言われる一つの手法であります。

自分がどこまで何を認識しているのか?
どんな認識の仕方(受け止め方)をしているのか?
そしてそもそも記憶とは何なのか?
記憶が見せているものとは?(その世界とは?)
他人と共有している記憶の世界、つまりこの世界の謎については
まだまだ未知の知られざる世界でしかないのかもしれませんが
これからも記憶に関する研究とともに
この世界の実態についても追究していきたいと思います。

そして皆様に還元していけるよう
私の取り組みが少しでもお役に立てられたら幸いです。

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宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

宮本章太郎プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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