自閉症の世界を感覚で知る ~時間軸の違いによる摩擦とストレス~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:自閉症の心理学・広汎性発達障害

これは必ずしも全てにおいて当てはまる(言える)ことではありませんが
自閉症の生きてる世界を感覚的にお話いたしますと
自閉症というのはこだわりがあります。

つまり自分の世界を生きているわけですが
それは時間軸が自分中心にあるということ。

自閉症に関わらず、人間誰しも自分中心の世界(時間軸)に生きているわけですが
自閉症は何か自分が気になったことに対して強い関心を持ち
ずっとそのことに従事(取り組む)し続ける傾向があります。

この傾向のことを、いわゆる「こだわり」と言ってるのですが
例えば目の前の光景や動くものに心を奪われ
何かするわけではなくずっと眺め続けているのでも
そのことに従事している間は時間の感覚がなくなるわけですね。
(時間や時刻のことを気にしなくなる。気にならない)

だからいつまでも自分の気の済むまで自分の「こだわり」に集中し
(気の済むまでといっても自分の意思でコントロールしているわけではない)
時間も忘れてずっと取り組み続けるのです。

自閉症は時間を忘れて自分の時間軸(世界)の中に生きている。

で、いよいよ問題(本題)はここからです。

いわゆる健常者といわれる人たちは人間社会の中で社会生活を営み
社会の時間軸に自分を合わせて生活をしているわけですが
自閉症は社会(求められるのは協調性)に上手く適応(順応したり馴染んだり)できずに
それが原因でトラブルになりやすいのですね。
(これは自閉症というより発達障害と言ったほうが適切ですが、例えば時間が守れないなど)

自閉症が突然飛び跳ねたり集中したり、自分の世界に没頭してしまうのは
先程述べた自分の時間軸と社会の時間軸との競合性から生じる摩擦によって
自らのコントロールを失ってしまうからなんですね。

自閉症は自分の時間軸で生きているのに(社会の時間軸で生きるのが難しい)
そこで異質な操作や介入が入る事によってパニックを起こしてしまうのです。
(社会の時間軸に合わせようとする圧力・影響力)

この摩擦がストレスとなって混乱を起こし
傍から見れば自閉症の症状として突然癇癪や多動が始まるということがおわかりいただけたでしょうか?

最初にも言いましたようにこれはどの例にも当てはまるわけではなく
あくまで自閉症の症状を感覚的に理解していただくための
参考材料にしていただけると幸いです。

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

宮本章太郎プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

宮本章太郎プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

心理カウンセリングのプロ

宮本章太郎プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼