良くも悪くも、人の印象は脳が勝手に決めつけて判断している ~イメージという無意識の影響力~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:心理学コラム・心理トレーニング、テクニック

人は自分の意思とは無関係に、どうしてもイメージ(受けた印象)に流されやすいものですが
これは自分の性格や考え方とは関係なく、イメージに影響を受けてしまうのは仕方のないことなんですね。

というのも、脳の情報処理や作業効率アップのために備わっている脳機能だからです。

人は何事においてもいちいち詳細を確認しながら生きていたら生活が成り立ちませんから
イメージでこういうものだと瞬時に判断して処理能力の効率化を図っているわけです。

例えば毎日届くスーパーのチラシでも
AのスーパーとBのスーパーではそれぞれ特徴に違いがありますが
ある日突然、Aのスーパーの特徴をそのまま使用して、発行がBのスーパーのものだったらどうでしょうか?
(見た目の特徴や内容はそのままに、店名だけ小さくBのスーパーのものに変わっていたら)

いつも見慣れているAのスーパーの特徴を見て、そのままAのスーパーのチラシだと勘違いしてしまいませんか?
Aのスーパーは全く関与していなかったとしても、その特徴(イメージ)だけでAのものだと瞬時に思い込んでしまうのです。

そうでなければ毎日この内容はこれで間違いないかと何でも確認していたら
まともに生活もできなければ時間がいくらあっても足りません。

保険などの契約項目でもそうではありませんか。
何らかの商品を購入して、詳細な取扱説明や保証内容を確認するのでも
いちいち全ての項目に確認作業をしながら対応していたら限がありません。
それよりも概要をサッと把握して、全体をイメージで捉えた方が効率が良いのです。
(事細かに詳細を説明されるより直感で理解しやすい)

自動車の運転免許でも、構造やその仕組み、あるいは物理法則を理解することから教えられるより
ハンドルで操縦し、アクセルを踏むと発進してブレーキを踏むと止まるとわかっていれば
大体車の運転自体はできます。(道交法などの車の運転に必要な知識は別として)

人の口頭説明や会話、あるいは映像などの視覚情報でも同じです。
いちいち頭で思考しながら理解するより、イメージで捉えたほうが早いんですね。

ですから意思疎通の相違が生じたり、手前勝手な思い込みによる誤解といった現象が生じてしまうのですが
最初にも申しましたように、これは脳機能の仕組みであってどうしても仕方のないことなのです。

だからこそある事柄に丁寧に向き合う場合には
イメージに左右されないようにじっくり時間をかけて慎重に向き合う必要があるのです。
でなければ誤解や思い込みが発生してしまい、トラブルの原因になってしまいますから。

このように人にはイメージによる強烈な思い込みと誤解などが生じることを常に認識しておきながら
もし何かトラブルや嫌な印象を受けた時に、そのままの印象で判断したり決めつけてしまわないことです。
どこか自分が間違ってないか?誤解しているのではないか?と
相手(その対象)を疑う前にまず自分の思い込みを疑ってみましょう。

普段は効率のために感じたままで判断するのも良いですが
イメージに左右されて(イメージが先行して)冷静な判断力を失わないように気を付けてくださいね。

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宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

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