場面緘黙の改善に向けての取り組み ~訓練によるリハビリしか有効な手立てがないのが現状~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:自閉症の心理学・広汎性発達障害

もしかすると場面緘黙はパニック障害(パニック症候群)の一つなのかもしれません。
動悸や発作、強い不安ではないけれども、その時の状況や環境によって言葉を発せられなくなる症状の一種。

きっと脳の言語処理能力の分野で上手く機能しないなど何らかの影響があるのではないでしょうか。
自分の中で言いたいことの言葉がまとまらず上手く処理(整理)できないので
言葉にして口に出るまでに時間がかかり、それで結局は何も喋れないままになってしまう。
(本人の中で実際にパニック状態に陥っているわけではなく、あくまで脳の処理機能としての働き)

関連性としては、吃音の症状と何か関連があるのかもしれませんね。
(いずれも上手く言葉にできないなど)

障害の一種かもしれないとはいえ、日常生活の中で全く言葉を発せないわけではないので
訓練やリハビリによって症状が改善するかもしれません。

場面緘黙についてはどうしたら言葉を発せられるのか
どうしたら第一声へと繋げられるのか難しいところですが
私が思うに、声が出なくても声を出そうと努力し続けることは大事だと思います。

実際は出なくても良いので出そう出そうと努力を続けるのです。
喋りたい気持ち(そのもどかしい気持ち)が発声へと繋がると思うんですね。

何かツールに頼るのも良いですが
そればかり当てにして自分で発声しようと努力をしなければ
やはりいつまで経っても声を出すのは難しいと思います。
私もそうしていつの間にか話せるようになりましたから。
いつも喋りたい(言葉を返したい)気持ちでいっぱいでした。

しかし常に言葉を浴びせられ続けると大きなストレスになりますから
あまり喋ってもらおうと詰め寄ると逆効果で話せなくなってしまう可能性がありますので
周りの人は注意してください。

大事なのは筆談具などがあるからといって安心してしまわないこと。
ちゃんと声に出して伝えようと努力すること。
その意志が大事なんです。

喋りたいという気持ちだけではなく
実際声に出そうと常に努力してみてください。

しんどい、苦しいかもしれませんが、もちろん努力されてると思いますが
ぜひ続けてみてください。
それで話せなくたって良いんです。
まずは努力を続けてみること。

周りの人は理解してくれるはずです。
ただ症状の感覚がわからないので接し方がわからないだけです。
それでお互いがぎこちなくなってしまうだけなのです。

もどかしい気持ちになってしんどくなったら(声を出そうと疲れてしまったら)
無理に喋ろうとしなくてもそのまま黙っておけば良いのです。

場面緘黙を心理カウンセリングで扱う場合(接する場合)
まず基本的に傾聴による心理療法は難しいですから
どうしてもコーチングだったり訓練的な手法で言葉を発せられるようにしていくか
または心理カウンセラーが症状の特徴や自身の経験をお話してお伝えしていくくらいしか方法がありません。

いずれにしてもクライエント様お一人お一人と向き合いながら手探りでやっていくしかないですが
その方法でも良ければまずは改善に向けて試していただきたいと思います。

場面緘黙は心理カウンセリングでも難しい症状の問題ではありますが
ぜひ一つ一つ理解し合いながら
少しずつでも喋れるように前進していきましょう。

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宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

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