多発する冤罪事件とその要因。嘘の供述は“質問攻め”によって起こる ~質問攻めは相手を苦しめる~

宮本章太郎

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テーマ:時事・世事世相・所感・雑感

取り調べの可視化が言われるように、容疑者への事情聴取のあり方が問題になってますし
自白を迫られ嘘の供述によって冤罪事件に発展するケースも増えています。

このように本当はやってなくても、どうして人は自分の不利になるような嘘の供述をしてしまうのでしょうか。

自分がやってないなら堂々と真実のみ述べれば良いものの
嘘の供述をして罪に問われるのがわかっていても
つい人は自分がやったと自供してしまうんですね。

この仕組みは心理的な要因はもちろん、様々な要素が影響して起こるのですが
まずこのような嘘の供述をしてしまう土台となる要素として
“質問攻めによる判断力の低下”が錯覚(ある種のトランス状態)を起こしてしまうという現象があります。

人は長時間(長期間)質問され続けていると、脳がパニック状態になって判断力が低下し
認知力も低下する結果、自分がやったかどうか記憶も定かではなくなりますし
そもそも質問の意図すら理解出来ず、一体自分は何を問われているのかわからなくなってしまうのです。(思考力の低下)

ですからまともに質問にも答えられなくなりますし、問われてる内容すらどうでもよく
とにかく質問するのをやめて欲しいのと、想像を超える疲労感によって早く楽になりたい(休みたい)という感覚に陥ります。

ちょうど数日に渡って眠らない状態が続き、物事を一切判断出来なくなるのと同じ状態です。
嘘だとか真実だとか、自分がやったかどうかとかそれどころではありません。

これは人の性格や心理状態というよりも、脳機能の低下が招く現象であって
特に自分はやってないんだからと真剣に、集中してしっかり質問に答えようとすればする程この状態に陥りやすくなりますし
質問の内容よりも、質問の多さや間隔(頻度)によって増々この状態に陥りやすい状況を作り上げてしまうのです。

取り調べのやり方や脅しがあったかどうかももちろんですが
それよりもまずは判断力が低下するような状況作りである
“質問攻め”こそが嘘の供述をしやすくなる状態を作り上げてるんだという事を念頭に置きながら
これからの取り調べのあり方について考えていく必要があるでしょう。

そしてまた身近な問題としては、日常生活でもあまり人に質問攻めをしないように十分注意を払いながら
良好な人間関係を築いて行きたいものです。

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宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

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