子供が起こした事件や事故に親に責任はない ~保護者にかかる負担としつけの本質~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:教育・子育て

子供が事件や事故などを起こした場合
何でもかんでも保護者が責任を負わなければならない風潮になってますが
子供がしでかした事に、保護者に責任はありません。

全ての責任は全部自分にある。
これは子供だって同じです。

責任というと、何か罪を償う事のように思われてるかもしれませんが
そうではありません。

例え小さな子供が起こした事でも
保護者が責任を持ってくれる、背負ってくれる
自分じゃなくても代わりに誰かが何とかしてくれるような環境を用意してしまうから
子供も段々自分で責任を持とうとしなくなるんですね。
そういう子に育ってしまう。

子供自身の責任を保護者に求めてしまうと(負担しなければならないとなると)
保護者は保護者で子供が何かしでかさないように、常に監視して見張っている必要がありますし
そんな環境で健全な親子関係が形成されるはずもなければ
親子ともども身動きが取れず、必然的に社会コミュニティーからの孤立を余儀なくされ
どうしても虐待やモンスターペアレンツなんて言われるような振る舞いになってしまうのです。

子供自身も常に親から監視され、時には虐待まがいの管理下のもとで
どうして伸び伸びと育つ事が出来るでしょうか。

責任とは罪を償う事だったり補償する事ではありません。

自分の力で対処する。
これが責任であり、その力を付けるためのお手伝いが“しつけ”なんです。
しつけとは厳しく育てたりルールを守らせたり、指示に従わせる事ではありません。

だから子供だろうと何だろうと
自分がした事は全部自分の責任であり
保護者に責任はないのです。

もちろん子供が事件や事故を起こさないように
あるいは巻き込まれないように守ってあげるという親の保護責任はありますよ。

しかしその責任も親がする自分の自己責任であって
子供の責任を親が肩代わりしてあげるような責任ではありません。

もし子育てにおいて保護者に何か責任があるなら
子供をしっかり躾けるという、自分自身に対しての責任のみ。
子供の責任を代わりに負担してあげるのが保護者の責任じゃないんですね。

このようにしつけの本質を理解してそういう接し方をしていくと
子供も力強く成長出来ますし
すぐ責任逃れしようとしたり他人に責任を押し付けるような事はせず
周りから信頼され頼りにされるような、自立した大人に成長出来るでしょう。

そして子育ては親だけの責任ではなく、社会全体でしていく必要があります。

子供のした事を保護者だけに負担させたり責任を負わすだなんて
それこそ周りの大人や社会全体の責任逃れですし
単なる責任の押し付け合いでしかありません。(大人による責任の放棄。つまり無責任)

そうやって保護者に全部負担をかけるから
子供が被害者になってしまうような悲しい事件が次々と起こるんですね。
親を責めるのではなく社会全体で子供を守ってあげたら
そうそう悲しい事件なんて起こらないでしょう。

それぞれがそれぞれの自己責任を果たす。

子供の責任を保護者が肩代わりしたり賠償させるのではなく
子供自身が自分が何をしでかしたのかに向き合い、皆でその責任に向き合うのです。
一緒に考えていくのです。

罪を償わせるだけで終わりなら
大人になってもいつまでも同じ事の繰り返しです。

だって自分で責任を持つという事を知らないんですから。
いつも誰かが肩代わりして何とかしてくれるんですから。
子供の時からそうやって育ててこられたのです。

何かあったら罪を償えば済むんだから、自分の責任は負わなくていいんだから
最悪死刑になったらそれで済むだろうと
そんな軽い考えや甘えが犯罪率の増加にも繋がってるじゃないですか。

自分に何の責任もないから自分に価値を見い出せない。
自分なんて居ても居なくても、存在してもしなくても一緒なんですからね。
生きてる意味が無いから感謝もなく、他人に迷惑をかけてもお構いなし。

このように誰か一人に責任を押し付け、それぞれが自分の責任を放棄する事なく
責任とは誰かが身代わりになったり負担をかける事なんだと勘違いしないで
大人も子供も、共に生きる力を育んでいきましょう。


京都カウンセリングラウンジ
宮本 章太郎



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