これは黙ってられない!発達障害に対する無理解
これはある自閉症の人のやり取りを
普通の人の感覚に置き換えて表現したものです。
次をご覧ください。
ちょっと宇宙を旅してた。
うん、今戻って来たとこ。
ふぅ・・・。
普通の人が聞いてると何を言ってるのかわかりませんが、この後沈黙が続き
まるで一つ一つ感覚を確かめながら取り戻してるかのように
何を問いかけても上の空状態で、生返事か愛想笑いをしてるだけになる。
ではこれを普通の人の感覚に置き換えてみると。
ちょっと居眠りしてた。
今目が覚めたとこ。
ファ~・・・。(アクビ)
このような表現になるわけです。
普通に聞いててもわかりますし、ずいぶん表現の仕方が違いますね。
このやり取りはあくまで一例に過ぎず
自閉症の人はこれを真面目に言ってるのですから
いくら言葉のままを真剣に聞いたところで
普通の人は何を言ってるのか、とても理解出来るものではありません。
このように異なる感覚の持ち主が
それぞれ自分の感覚だけで相手の話を聞いてると
とんでもない誤解が生ずるか、お互い衝突が起こってしまいます。
相手が自閉症の人だとハッキリわかってるなら
この人は自閉症だからと割り切れるかもしれませんが
そうでない場合、見た目には普通の人の場合には
相手の間違いを正そうとしたりして、つい感情的になってしまうでしょう。
いずれにしても理解しておかなければならないのは
自閉症の人は言ってる事はわからなくても
持ってる感覚そのものは、普通の人と変わらないという事です。
つまり相手が自閉症かどうかで判断するのではなく
もし相手が何を言ってるのかわからなくても
それは自分とは感覚が違うから通じてないだけで
訴えてる事、伝えようとしてる事は同じであるという事。
感情的にならず、お互い相手の心の声に耳を傾ければ
きっと通じ合えるんだという事なんですね。
自閉症とは自分の持ってる感覚をそのまま表現したもので
私たちが思ってる、いわゆる“普通の人”の感覚とは
ただ何かの、誰かの基準に合わせて比較した感覚に過ぎません。
自閉症の感覚及び自閉症の心理学については
またこれからも取り上げていきます。
京都カウンセリングラウンジ
宮本 章太郎
このコラムに対するご意見ご感想など、お気軽にお聞かせください。
また、こんなテーマで書いてほしいというご希望も
併せてお待ちしています。
公式ホームページ http://kyotocl.web.fc2.com/
eメール kyotocl@gmail.com