心理カウンセラーが本気で考えるうつ病対策 ~うつ病の人に必要なもの~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:心理学コラム・心理トレーニング、テクニック

うつ病になる人が増え、うつ病対策うつ病対策と言われてるものの
ただ嘆いてるだけで誰も何もしようとしないので
ここで私が一石投じてみようと思います。

実際は何もしないのではなく、何も出来ないのだと思いますが
うつ病は病気だから治療して治すものだと思い込んでないでしょうか?

違うんです。

細かい説明は省きますが、このように視点を変えてみないから
どうしたら治せるのだろうかと治療方法ばかりを考え
結局どうしたらいいのかがいつまでも見えて来ないんですね。

ズバリ申し上げますが
うつ病の人に必要なのは時間です。

治療が全く効果が無いわけではありませんが
治療より何より、うつ病の人に必要なのはとにかく時間なのです。
もっと言えば何もしない時間。

私が考えるうつ病対策は
うつ病の人にあえて何もしない時間(してはいけない時間)を用意して
ただひたすら日々を過ごしてもらうんですね。

食事や生きていくのに必要な環境(通常の生活環境で良い)は用意しますが
テレビやゲーム、音楽やインターネットなど娯楽関連のもの
そしてアルコールやタバコなどの嗜好品の類は排除して
純粋な時間のみを提供するようにします。

人は時間を持て余すと、自然にいろんな事を考え始めます。
つまり自分に向き合う時間を、半ば強引に持ってもらうわけです。(セルフカウンセリング)

別に外界と遮断してうつ病の人を隔離するわけではありませんので
話し相手などコミュニケーションを求められたら普通に応じてください。

ただし話の内容を否定したり社会復帰を急かしたり、精神的に焦らすような対応は避け
こちらからは何も働きかけず、カウンセリングの要領で優しく接してください。
時間が必要なのに、時間を奪うような事をしていては本末転倒です。

しばらくこのような生活を続けていると
本当は心の奥に生きる意志や意欲のある人ほど
自然に何かしないと、何かしなければと意欲が湧いて来るようになりますし
何かする事がないか、自分に何が出来るかといろいろ考え始めます。

そしたらそこでようやく、周りの人間が何か具体的な行動に向けて力を貸すわけですね。
しかしここでも急かしてはいけません。
あくまで受け身の態勢で接してください。

更に有効な方法として
人は他の人(特に小さい子供など、自分より立場の弱いとされる者)が
一生懸命に頑張ってる姿を見てると
それが励みになったり負けてられないと意欲向上に繋がりますから
そういう映像やエピソードに触れられるような時間を持ってもらうのも効果的です。
実際一緒に取り組んでみるのもいいかもしれませんね。

ただし本当に意欲のない人にこれらの方法は通じませんし
やはりお薬を併用するなどして、それこそ時間をかけてじっくり向き合っていく必要があるでしょう。
意欲のある人でもいつまで、どのくらいの期間を要するのかはわからないのですから
いずれにしても必要なのは時間だと言ってるのです。

本人もそうですが、支える人間も根気が要りますから
心が折れないように定期的にカウンセリングを受けるなどして
自身のメンタル管理にも充分気を付けるようにしてください。

このうつ病対策で重要なのは
ただ生きてるだけなら満足な環境があり、特に不自由はないんだけど
時間だけがタップリあって何もする事がない(出来ない)状態に身を置いてもらうという事です。

人はただ生きてるだけ(生存・非生産性)という事の出来ない生き物ですから
ただ時間だけがあるこのような状態が続くと、必ず何らかの変化や反応が起こりますから
そこが変わるためのチャンスになるんですね。

しかし相当しんどいですよ。

並大抵の努力や生半可な気持ちでは
支える方がうつ病になってしまいますし、共倒れになってしまいます。
周りが何か特別な事をしてあげる必要はありませんが
ただひたすら見守るだけというのがどれだけしんどい事か。
向き合うからには覚悟が必要になるわけです。
(だから誰も行動出来ずに、ただ嘆いてるだけになってしまうのですが)

双方にとって気が狂ってしまいそうな苦しみを伴うかもしれませんが
充分な時間だけがあって何もする事がない環境というのは
人を変える力を持っています。

つまりこれが時間が必要な理由であり、時間がもたらす効用なのです。

この対策による心理的効用についての説明は割愛しますが
また機会があれば、もう少し詳細に触れてみようと思います。

今回はまだ一石を投じてみた程度の内容でしたが
あくまで主眼は時間であるという事を忘れないようにしてくださいね。

そして時間が重要であると共に
支援者が提供するのは安心だという事もお忘れなく。

この方法はかなり荒っぽい対策ですので
行う際は独断で試みるのは避け
十分注意しながら信頼出来る医師と相談の上で行なうようにしてください。
当ルームでも相談に応じます。

うつの問題について、これから本気で一緒に取り組んでいきましょう。
改善に向けて、ぜひ皆さんのお力をお貸しください。
共に力を合わせて頑張っていきましょう。


京都カウンセリングラウンジ
宮本 章太郎



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