イジメの問題と向き合う ~子供の世界観についてを知る~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:教育・子育て

子供にとっては、家庭と学校しか世界(自分の居場所)がなく
いくら居心地が悪くても、我慢してその環境に留まり続けるか
自分で何とか居心地を良くしていくしか他に方法がありません。
その世界の中でしか物事を考えられないからです。

ですからひと度、虐待やイジメなどで自分の居場所を追われると
ただただ生きるのがツライものでしかなくなるんですね。
ツライなんて表現では生易しいかもしれません。
生きるのを諦めるくらい息苦しい状態である事は
度々起こるイジメ自殺などの社会問題を見ればおわかりでしょう。

どうでしょうか?
大人でもどこかの企業に就職したまではいいが
そこで一切仕事もさせてもらえず、職場に自分の居場所がなかったら?

それでも給料はもらえるから何の不満もなく
そのままずっと会社に勤め続けられますか?
仕事をしなくてもいいから楽だし、それで楽しいですか?

自分の居場所がないという事がどれほど残酷な事であるか・・・。

イジメの問題についても同じで
それでも大人なら他の方法を考えますが
子供というのは、今生きてるそこにしか生きる世界がないから
その中で何とかやり繰りしようと必死です。
諦める・逃げるといった事は、世界の終わり
つまり、人生の終わりを意味します。

それ程までに、今自分の生きてる環境こそが全てで
そこで何か、自分の力ではどうにも出来ない問題が起こってしまうと
自分を追い込んで精神異常をきたすか
通常では考えられない行動を起こしてしまうんですね。

今生きてる環境以外に、居場所もなければ逃げ場もないんです。
他に生きる道なんていくらでもあるという事を知らないんですね。
逃げても復讐されるとか、報復が待ってるとか
とにかく今ある環境の中でしか物事を考えられません。

例えイジメ自体が止んでも(解放されても)
その恐怖は人生を通してずっと追いかけて来ます。

そして更に重要な事に、その時の大人(特に先生・教師)の対応によって
見て見ぬ振りやいい加減な対応をしていると
大人への信頼感がなくなり、ますます人を頼る事をしなくなります。
余計自分の世界に閉じこもって、
それが人間不信へとも繋がるんですね。

その時の現場の対応の仕方によって
大人は信頼出来ない存在だと認識させてるわけです。

ここが今、大きな社会問題となってるのです。

そんな大人を信用出来ない子供に対して
いじめ調査対策委員会とか第三者委員会を設けたり
SOSに気付こうだとか、わけのわからないキレイ事ばかり並べてますが
実際それがその子にとって、何の役に立ちますか?
いじめがあるかどうかとか、実態の把握が大事なのではありません。

誰にも頼れず、信用も出来ず、居場所を追われた人間が最後に選択する道は
一つしかないんです。

そして家族に対しては、迷惑をかけてはいけないと
勝手に自己判断して隠そうとしますし
そもそも最初から相談する意思なんてありません。

そんな家族に対してその子が最後に迷惑をかけるもの。
それが自殺なんですね。

だからほんとは、その子は何にも悪くないのに
ごめんなさいと謝りながらこの世を去っていくのです。

何と悲しい事でしょうか・・・。

だからこそSOSに気づくなんて
そう簡単な事ではないんですね。
例え気づいたところで対応を間違えば
結局は人間不信に陥るか、最後の選択をする事になるのですから。

つい感情的になってしまい、長くなってしまいました。

ひとまずこの問題については、今回はここまでにしておきますが
これからも継続して向き合い続けていきます。



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