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コラム
誰もが人生の共演者になれる
2020年4月30日 公開 / 2020年10月25日更新
涼しい朝の京都♪
今回は、新型コロナウイルス騒動が勃発する前の話で、帰郷して特養に居るお袋と話している時に、ふと大変だった頃のことを思い出しました。
「大変」というのは、お袋自身も自分に何が起こったのか戸惑っていた時期。私もお袋の認知症を受け入れることができず現実から逃避していた時期のことです。
降って湧いたような認知症の症状を受け入れることができず、 その変化に恐れおののき現実から逃避(防御)していました。知っているようで知らなかった認知症という病気。
近所の人は認知症のお袋に、どう対応すれば良いのか分らないので遠くから俯瞰するしかない。私は親の急激な変化に戸惑い恐れ、逃避したり、怒りに変わったり、もうウツ状態でした。
そんな慌てふためく私を観ているお袋は、いっそう孤独という暗い穴に落としていた。私にもそんな時期が確かにあった。認知症は特別な病気ではない。普通に喜怒哀楽もプライドもある。
お袋と私との間に無意識に境界線(壁)を作ってしまった。私が曲がりなりにもお袋の認知症を受け入れられたのは、お袋の感情の中に自ら入り、お袋の言葉や行動の要因を掘り下げて理解しようとしたからです。
誠実に人生を歩んできた高齢者が、認知症になったらからと言ってまったく別人格に変貌してしまうことはありません。本人の言葉や行動には何某かの理由があり、それが理解できると、今までとは違う個性が観えるようになります。
コミュニケーションは、自分のココロの中にあるものが相手にも投影されます。認知症の方は敏感なので介護者の心の中にあるものを感じ取ります。ココロを開いて接すれば相手もココロを開いてくれます。そこには信頼関係が生まれるはずです。
そして、ひとりでやろうとせず、他者に相談して力になってもらうことです。言いにくいかもしれませんが、近所にも認知症であることを開示し助けてもらうほうが楽です。
やがて認知症が進行してくると、本人の思い出もなくなるでしょう。私は自分の人生ストーリーの共演者として、少しずつ変化していくお袋をしっかり記憶に留めておきたいと思っています。
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【小さな実践】
認知症との向き合い方は、自分ができることを半分だけ頑張ればよい
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