Mybestpro Members

海江田博士プロは鹿児島読売テレビが厳正なる審査をした登録専門家です

私は二つの日本一を知っている―新宿ゴールデン街最古のバーと港区西麻布最高のバー―

海江田博士

海江田博士

テーマ:私の趣味嗜好について

今日の目次
自慢できそうなものって?
50年以上ずっとワンオーナー
ったく、軽薄な街になり下がって!
雰囲気も天井の高さも最高
バーカウンターは男の勉強机
元気でいて欲しい二人の師匠


自慢できそうなものって?

鹿児島県の大隅半島といえば、日本の中でも最も田舎の一つであると言っても言い過ぎではありません。その大隅半島の端っこで、地道に会計事務所など経営している私には、人生自慢できるものなど何もない、と思っていました。
まあ、別に自慢するものなどなくても、生きていく上でなんの差し障りもないのですが、それにしてもなんか一つくらいないものか、と考えていたら、ふと思いついたことがありました。
自慢できるもの、それは、2件の飲み屋。
もう50年以上通っている飲み屋と、近年常連になりすごく勉強になっているバーがあるということです。お酒を飲む場所がプチ自慢とは、いかにも私らしいな、と自分でも思います。

50年以上ずっとワンオーナー

これまで、このブログでも何回か触れてきましたが、50年以上通っているのは、新宿ゴールデン街の「ガルガンチュア」という店です。カウンターに6,7人しか座れない狭い店で、私が二十歳のとき初めて飲みに行ったということは、もうかれこれ53年くらい通っていることになります。
この店が際立っているのは、ずっとワンオーナーでここまで来ているということです。タイトルに「最古」と書いたのはそういうわけであります。
普通50年も経つと2代、下手すれば3代くらい代替わりしていても不思議ではないはずですが、オーナーのタン子さんは私が通い始める前、つまり53年以上昔からこの店を自ら仕切っているのです。さすがに80歳を超えた今、ときどきアルバイトなどに曜日や時間を選んで交替してもらっているようだけれど、原則、自分がカウンターの中に立ち続けています。(最近は座っていることが多くなってはいますが・・)
私といえば、50年以上通っている上に、この店ではいろいろとやらかしたので、そんなエピソードを書き始めたらキリがないくらいネタは豊富です。これまで、このブログでも何回かそんなエピソードを書いてきました。まあ、興味のある方は読んでください。
この店で今でも変わらず特徴的なのは、出される酒が濃いということになります。水割りにしてもお湯割りにしても、とにかくアルコール度数が高いのです。
ママさんに「もう少し薄めて」と頼むと、嫌な顔をしながら「ったく、情けない。」と文句を言われます。飲むペースが遅くても怒られるのです。
そうそう、私などには決して敬語とか使ってもらえません。客であるにも関わらず、「おい、海江田」と、今でも呼び捨てです。まあこれも50年来続く上下関係ということで、ほんの小僧の頃からお世話になっているために全く頭が上がらないのです。


ガルガンチュアの看板。
横向きですみません


ったく、軽薄な街になり下がって!

近年、ゴールデン街は外国人に人気が高く、この街の奥(3番街と言う通りになります)にある「ガルガンチュア」に辿り着くまでには、その異邦人たちでごった返す狭い路地を歩いて行かなければなりません。今では、日本人よりもはるかに彼らの数の方が多い、異質な街になりました。
昔だったら、まともな人種(日本人の)には敬遠されがちだったこの街も、いつの間にか信じられないほどの健全な賑わいになってしまったのです。金のない飲んだくれの吹き溜まりで、サブカルチャーだけがやたら幅を利かしていたこの場所が、今や一儲けしようと思えばそんなチャンスも転がっていそうな雰囲気になってしまいました。
ところがオーナーのタン子さんときたら、この降ってわいたような賑わいを苦々しく観ているようで、「全く、とんでもない街になり下がって・・・」と、そんな賑わう世間に背を向けるように店を経営しているのです。
だから、入り口のドアはいつもピタリと閉まっていて、たまにノー天気そうな外国人が顔を出しても、強力な拒絶光線を発して進んで中に入れようとはしません。もう少し愛想よくすれば儲かるのに、と思うのですが、そんな気はさらさらなさそうです。


ゴールデン街。横向きですみません。


雰囲気も天井の高さも最高

さて、自慢できるもう一軒は、西麻布のバーになります。「サロンドシマジ」という店名で、もと週刊プレイボーイの名編集長だった島地勝彦さんが、80歳を前にしてオープンしたバーです。
タイトルで「西麻布最高のバー」と書いたのは、雰囲気、会話、メンバー、出自、酒、どれをとっても最高のものを提供してくれるからにほかなりません。もう一つ、極めて具体的なのは天井の高さも最高だからであります。バーは地下にあるのですが、サイロみたいに吹き抜けになっているので、天井高は6mもあるそうです。こんなバー、見たことがありません。
サロンドシマジはその前身が、新宿伊勢丹の中にあった今とは真逆の3畳間ほどの広さしかない極めて異質なバーでした。デパートの中で昼間から酒が飲めるという日本でも初めての試みだったのではないでしょうか。
私はその伊勢丹にあった頃から通い始めて、西麻布に移ってからもずっと通っています。ということで、かれこれ6年くらいのお付き合いになるのです。


天井高がわかる映像


バーカウンターは男の勉強机

この間、島地さんからは実にいろいろなことを学ばせてもらいました。粋(いき)というのはどういうことか、というのを初めて具体的に体感させてもらったような気がします。
食道楽、着道楽などの話も島地さんの前では、屈託なく話をすることができるのです。その上で、私の知識のはるか上を行く体験、蘊蓄やエピソードなどが聞けるので、さらなる学習を重ねたい身としては、極めてありがたい場といえるでしょう。
以前、伊勢丹におられた頃、島地さんがその人生で体現されてきた様々な思いを、島地語録としてコースターに印刷されたものがあり、お酒を飲んだその日はそれを持ち帰っていいとされていました。私も20枚ほど持っていますので、その中でも面白いものをちょっと振り返ってみると
・今日の異端は明日の正統。
・不老長寿よりも不良長寿を目指せ。
・悔しいときは、奥歯をかみしめて笑え。
・男と女は誤解して愛し合い、理解して別れる。
・女房の目には英雄なし。
・女房は明るくのんきで上機嫌がいい。そして欲を言えば、愛ある無関心がいい。
・毒蛇は決して急がない。
どれも秀逸な格言なのですが、とっておきなのは
・バーカウンターは男の勉強机である。
ということになります。
まさに、人生、いつまで経っても勉強と言っていいでしょう。しかも大人の勉強というのは場所を選びません。
学生時代から机に向かっての勉強は苦手でした。しかし、大人になってからの勉強は、場所とか教材とかではなく、その場その場で与えられた現状に向き合う姿勢ではないかと思います。それだったら、こんな私でも学習意欲は湧きそうな気がするのです。

元気でいて欲しい二人の師匠

島地さんは、バーテンダーではなく「バーマン」を標榜しておられます。プロのバーテンダーとしては、島地さんの傍らに脇を固める若い二人のスタッフがいます。
島地さんを始め彼らカウンターの内側との会話、そして、その日たまたま横に座った他のお客さんとの会話、これらすべてが新たな勉強となるのです。こうして身につく大人の勉強は実に楽しい。
新宿ゴールデン街の50年以上通い続けている古ぼけた飲み屋、港区西麻布に登場した超ハイセンスなバー、この2件を私なりに勝手に最古と最高という冠をつけて日本一としました。マイ、ナンバー1ということになります。
まあ勝手な日本一ではありますが、それなりに根拠はあるのです。どちらのオーナーもご高齢であるにもかかわらず、現役として活躍しておられます。この二人の師匠には、もっと勉強させてもらいたいと思っていますので、まだまだお元気でいて欲しいのです。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

海江田博士
専門家

海江田博士(税理士)

税理士法人アリエス

税務相談はもちろんのこと、従来の税理士としての職務に留まらず経営者自身で革新できることを目指した支援を続けています。日本経済をしっかりと支えられる強い基盤を持った中小企業への第一歩のお手伝いをします。

海江田博士プロは鹿児島読売テレビが厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

有効な経営革新支援でより強い経営を目指すプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ鹿児島
  3. 鹿児島のビジネス
  4. 鹿児島の税務会計・財務
  5. 海江田博士
  6. コラム一覧
  7. 私は二つの日本一を知っている―新宿ゴールデン街最古のバーと港区西麻布最高のバー―

海江田博士プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼