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ビジネスチャンスを広げるためには―常にターゲットを明確にし「情報発信(アウトプット)」を継続する―

海江田博士

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テーマ:「情報発信(アウトプット)」戦略について

誰に向かって「情報発信(アウトプット)」しているのか?

これまでもご紹介してきましたように、私はSNSや地域メディアを通じて、自らの事業に関して、かなりの量の「情報発信(アウトプット)」を続けてきましたし今も続けています。
ところでいきなり原点に帰りますが、これらの「情報発信(アウトプット)」は、いったい誰のためにやっているのでしょうか・・・
それは、言うまでもなく「顧客或いは顧客候補がいるであろう、私の事業に関係する市場(マーケット)」に向かって発信しているのです。これは当然のことで、私の事業に何の関係もない人々に向かって、「情報発信(アウトプット)」してもほとんど意味のないことだからです。
しかし、近年その枠を少し広げてきつつあります。事業に関する「情報発信(アウトプット)」はもちろん今まで通りなのですが、そのほか、世の中の事象について感じたことやこれまでの体験を通して考えたことなど、事業に直接関係のないことなども書くようになりました。
これは、読者の幅を広げることで、より事務所や私への理解や親しみを持ってもらおうと考えたからです。とはいえ、やはり事業経営者がターゲットの中心であることに変わりはありません。

誰が顧客であり顧客候補なのか?

さて、その中心ターゲットである中小企業事業者の行なう「情報発信(アウトプット)」は、どうあるべきなのでしょうか。そもそも、「情報発信(アウトプット)」は、本質的な意味で事業の中核をなす業務ではありません。
事業の中核をなすのは、例えば製造業であれば製造技術や作られた製品であり、流通業やサービス業であれば商材であり営業活動そのものということになります。「情報発信(アウトプット)」は事業の中における販売促進策の一つで、先に述べた中核部分を補完、サポートするものなのです。
とはいえ、中小企業の場合、この販売促進部門が事業を遂行していく上での大きな弱点となっているために、何らかの手段で強化する必要があるのでは、と私は考えてきました。中でも、先に述べた「誰が顧客であり顧客候補なのか」という、ターゲットの選定がはっきりしておらず、そこに対する情報の発信力も極めて弱かったからです。
また、ターゲットがわかっているつもりでも、それが昔のイメージのままの顧客候補であったり、現状の市場(マーケット)の把握がズレていたりと、ターゲッティングに関する見直しが必要と感じたからにほかなりません。ほとんどの業種において、新しいマーケットやターゲットの発見や開拓が必要な時代に至っていると思うのですが、そこにはまだ手つかずの状況なのです。

新しいターゲットを掴むために

それでは、新しいマーケットやターゲットを掴むにはどうしたらいいのでしょうか。それには、順番が逆に聞こえるかも知れませんが、「情報発信(アウトプット)」を続けることが非常に効果的なのです。どっちが先か、と考えている時点で、なんだか「卵が先か鶏が先か論争」みたいになってきました。
「え、ターゲットを決めてから情報発信をするんじゃなかったの?」という声が聞こえてきそうです。そうです。その通りなのです。もともと「情報発信(アウトプット)」は、ターゲットを絞ってそこに向かって発信するのが一番効率的であることはもちろんです。しかし、なかなかターゲットを把握したり絞り切ることができない場合は、それを探るためにも、とりあえず「情報発信(アウトプット)」を先にどんどんやっていくべきなのです。
そもそも、私が行なっていたラジオ放送や新聞のコラムは、その聴取者や読者は一般の方です。私が顧客として想定している事業経営者とは限りません。ところがときどき、私が発信した情報に対して、想定外の支持者が現れることがあるのです。
例えば、都会からUターンしてきた小規模農業従事者という人たちは、もともと私のターゲットとしては想定していませんでした。ところが、「ラジオを聞いた」というある農業従事者が事業プランニングを依頼してきたことがありました。聞いてみると、現在は小規模だけれど、将来に対しては壮大な構想を持っている、とのことだったのです。

「情報発信(アウトプット)」による発見

この一件以来、それまで私が顧客候補として対象としていなかった農業関係者も射程に入って来ました。地方の場合、農業だけでなくその周辺の事業、例えば指定契約栽培、食品加工、産地直売、地産地消飲食業、生産物一括流通など様々な分野のビジネスが存在することが判明したからです。今後、これらの事業は、私の重要なターゲットになりつつあります。
つまり、「情報発信(アウトプット)」が新たな市場の開拓を生んだことになります。「自らの事業に関する情報」という、大前提を外さずに発信を続けていれば、それに呼応するように新たなターゲットを掴むチャンスは増えてくるのです。
何度も言っていることですが、こんなこと(継続的な「情報発信(アウトプット)」)を頑張って続けている経営者は極めて少数派ですので、それだけで差別化になります。そして、それまで想定していなかったターゲットからアプローチされるチャンスも膨らむのです。
これからの時代、事業を続けていく上で必要不可欠な条件は、常に新しいマーケットやターゲットを追求し続けることです。その条件を確保するためにも、経営者自らが行なう「情報発信(アウトプット)」を続けてみて下さい。



ラジオでは随分と情報発信しました。
(現在、お休み中)

追記:いつも読んでいただきありがとうございます。
まあこの通り、いささかユニークな税理士です。
「こんなこと、相談しても大丈夫だろうか?」
といった、我々の専門外のお話についても、
構いませんので一度持ち込んでみてください。
普通、税理士が受けないようなご相談にも、
かなり幅広く対応いたします。
なにかしらヒントになるような
ご解答はお示しできると思います。
ご縁をいただければ幸いです。

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海江田博士
専門家

海江田博士(税理士)

税理士法人アリエス

税務相談はもちろんのこと、従来の税理士としての職務に留まらず経営者自身で革新できることを目指した支援を続けています。日本経済をしっかりと支えられる強い基盤を持った中小企業への第一歩のお手伝いをします。

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