「決算書」についての大胆な見解―コンサルティングをどう考えるか―
「欠点の矯正」が、企業業績を大きく伸ばすための決定的な要素にならないという意見には私も全く同感です。
このコラムにおいても同様に、弱点の克服ではなく、企業として独自の強みを持つことの大切さについて次のように結論付けておられるのです。
― 特に小さな企業であればあるほど、特定の魅力や強みがなければ生き残っていくことは本当に難しくなります。
もっと言えば、「生存するために必要な特徴」を持っているかどうか…こそが、最も重要となります。(中略)
自分にしかできないこと、クライアント企業であればその企業にしかできない本当の強み…というものは一体何か…?
どうやってその強みをより一層強くすることができるか…?
ここに全エネルギーを投入することこそ、最も重要なことなのです。―
このコラムは
「決算書が読めないのですがコンサルタントとして大丈夫でしょうか?」
と相談してきたコンサルタント候補の方の質問に答えたものです。
そのために、その質問に答える形の書き方になっていますが、これはそのまま企業経営者に対するメッセージとしても読むことができます。
私が自分の著書で述べてきた『売り』という言葉もそうですが、ここで五藤さんがおっしゃっておられる「本当の強み」という表現も、同じことを言い表しています。
いずれにしても、この激しい競争社会においては「同じ条件の下で他者を蹴落とす」という考え方や行動にはおのずと限界があります。
それよりも、「自社の独自性を顧客に喜んで選んでもらう」という発想で事業に取り組んだ方が、よりハッピーでやりがいもあるのではないでしょうか。
おしまい