「決算書」についての大胆な見解―コンサルティングをどう考えるか―
「決算書なんか読めなくていい。」
これはかなり強烈なメッセージです。
実際、五藤さんのこういった見解を聞いて
「決算書が読めなくてコンサルタントができるか!」
と食ってかかった士業の方もおられたようです。
しかし、五藤さんのメッセージはシンプルかつ明快です。
コンサルタント候補の方に対しては
「自分にしかできないことで、企業のお手伝いができればいい」
と回答されています。
また、企業経営者に対しては
「未来の打ち手としての『経営者の夢や野望』」
という言葉を使っています。
つまり、独自の『売り』を持つことの大切さを述べておられるのです。
「攻め」の大切さ、と言っていいかも知れません。
一方で、「弱点を克服することについて」に対する見解も次のように書かれています。
― 企業は弱点をどれだけ克服する方策を考えても、真に強くなることは絶対にありません。
平均的に弱点がない…という状態をどれだけつくり出しても、企業としての魅力は上がらないからです。(中略)
弱点は文字通り、弱い部分です。
致命的にダメな点はさすがに問題ですから、せめて弱点くらいに収まる程度にはしなくてはなりませんが、それを平均点に引き上げたところで、たいして大きな効果など何もないということです。―
「できるだけ弱点がないように。つまり、平均点を上げるように。」
と小さいころから教育されてきた日本人には、少し馴染みにくい見解ではありますが、五藤さんのおっしゃるように企業経営においては、少々の弱点を矯正したところで大した効果はないのだろうと私も思います。
つづく