「寝だめ」は意味なし?本来の快眠とは
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睡眠時間を削っての活動は「睡眠に借金をして活動」すること
平日に寝る時間を削って仕事をし、週末には死んだように好きなだけ眠る。こういう人が増えている傾向にあります。業種によって異なるとは思いますが、残業や、どれだけ寝ないで仕事をしたかで高い評価を得ることもあります。さらに、日本は昔から「寝る間も惜しんで働く」という言葉があるくらい、ある意味、睡眠は「怠けの象徴」という社会通念が存在する国です。
「週末バッチリ寝だめできたから、今週は大丈夫」と考える人もいるようですが、実は、大きな勘違いです。睡眠に関して「寝だめ」はできません。睡眠時間を割いて活動するということは、睡眠に「借金をして活動」しているということです。いわゆる、「借眠」ということです。
ある専門機関の臨床データで、不眠の人と、平日借眠状態で週末しっかり眠る人のミスの数を比べたものがありますが、その数はほとんど変わらなかったようです。これは、週末いくら寝ても、脳の疲労が解消できていないという証拠です。お腹が減って、何でも良いから口に入れ、お腹が一杯になった満足感。これが、「週末まとめて眠る」と同じ例で、肉体疲労と睡眠欲を満足させるだけの「惰眠」ということが言えます。
寝だめよりも、起床時間のリズムを崩さないという意識が重要
睡眠の目的は「蘇生」です。そのためには、快眠が必要です。快眠とは、「快適に眠る」ということであり、「深い眠りをとる」ということ。つまり、快適に目覚めたという結果が得られてこそ、初めて快眠できたということになります。本来、動物はカレンダーや時計を見て活動していません。自然の摂理と本能的な生理で休息をし、睡眠を取ります。眠くなったら眠る、これが動物本来の姿でしょう。しかし、今の社会ではそうはいきません。少しでも睡眠不足を感じたら、その日は早めに眠り、「借眠」を解消しましょう。
また、その日が睡眠不足かどうかの判断は、午前10時から12時の眠気が参考になります。この時間帯は、身が最も覚醒している時です。ここで強い眠気を感じるようであれば、前日の睡眠が不足していたということになります。
快眠には、平日と休日の睡眠時間の差を2時間程度にとどめておくが大切です。本来は同じ時間が理想ですが、休日は朝寝坊したい気持ちもあるでしょう。自分ができる範囲から取り組んでみてください。さらに、帰宅して仕事モードの脳をオフにすることも大切です。週末、寝だめするよりも、起きる時間のリズムを崩さないという意識を持ちましょう。もし、起きるリズムが崩れた実感がある場合は、朝しっかり光を浴びる習慣をつければ、眠りのリズムはリセットされ、その16時間後に自然に眠気が訪れます。
どれだけ眠ったかより、いつ起床するのかに意識を向けた方が良いでしょう。睡眠を削って仕事をするということは、自分を犠牲にして仕事をするということです。最も「至福が得られる時間」であるべき「眠り」の時間を、しっかりと楽しみたいものです。
至福の睡眠に導く快眠探求家
荒井信彦さん(Al-jabr(アル・ジャブル))
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