GS激減!ガス欠回避のタイヤ選び
燃費に大きな影響を与える「低燃費タイヤ」
新車販売の70%以上が低燃費自動車(エコカー)という昨今。経営環境の変化に伴って、過疎地を中心にガソリンスタンドが急激に減少し、給油の機会を逸してガス欠をする自動車が急増しています。加えて、ドライバーが車の性能を過信していることにも問題があるようです。
低燃費自動車が続々と登場し、「1Lあたり30km走行」などという数値が当たり前のような時代になってきてはいます。しかし、実際に使用する上では、カタログ数値のような燃費にはなっていないようです。あまり知られてはいませんが、この自動車の燃費性能に大きく貢献しているのが「低燃費タイヤ」なのです。
現在、各タイヤメーカーが現在、最も力を入れているのが低燃費タイヤの開発です。低燃費タイヤにはランクがあり、最近は「ラベリング制度」によってタイヤに表示されるようになりました。「低燃費タイヤランキング」のようなものです。このラベリング制度には燃費性能のほかに、雨の日のブレーキ性能のランクも表示されていて、低燃費性能の最高ランクは「AAA」評価で、ウエット性能の最高ランクは「A」評価です。
低燃費タイヤの実力性能を比較テストすると…
今回、タイヤによって燃費がどれくらい変わるのかのテストを同じ自動車・ルート・日時に行いました。「2台を乗り比べて」という曖昧なものでなく、同じ車両を使い、タイヤ以外の性能の差が全くない状況でのテストです。「新品の低燃費タイヤ」と「新車装着の低燃費でないタイヤ」を比較しました。今回は「低燃費性能ランク」にのみ焦点を当ててテストを行いました。エコカーに新車装着されている低燃費性能は通常「A」ランクのものが多く、エコカー以外の車種は通常「C」ランクと同等のタイヤが装着されていることが一般的です。
■市街地~高速道路~市街地でのテスト
【条件】
○車種:日産セレナ平成20年式 4WDを使用。
○コース:往路は松江市内から出雲市内へは下道で、復路の出雲市内から松江市内は高速道路を使用。総走行距離は100Km
○使用タイヤ:
①新車時からの装着タイヤ ヨコハマタイヤ 「アスペック」。残り溝は半分程度。
②ブリヂストン エコピアPRV。ラベリング表示は「AAA」新品。
※タイヤサイズは共に195/65R15。空気圧2.4kに設定。
【結果】
①のタイヤ:1L当たり、12.1km
②のタイヤ:1L当たり、14.1km
その差1L当たり2km
一回の満タンが50Lだとすると、
①のタイヤは満タンで605km
②のタイヤは満タンで705km
計算上、満タン1回当たり100kmの違いが走行距離に出ることに。
今回の結果を踏まえて、「何でも良いから」と安いタイヤを購入すると、結果的に損をしてしまう可能性が大きいといえるでしょう。しかも、使用している間の安心感はお金に換えられない部分です。低燃費タイヤを装着することで、車の性能を最大限に発揮でき、ガス欠防止にも役立ちます。
車のタイヤを極めるプロ
太田利昭さん(有限会社オーリー)