炎天下の飲酒で脳梗塞や心筋梗塞も
須磨海水浴場、アルコール度数40度を超える酒類の販売を禁止
神戸市では、今年度の須磨海水浴場での海の家利用者に対し、泥酔者を発生させないよう、節度ある飲酒を目的として、アルコール度数が40度を超える酒類の販売を全面禁止とするそうです。また、アルコール度数20度以上40度以下の酒類は必ず加水して販売されます。
まだ本格的な夏には少し気が早いとは思いますが、今回は炎天下でアルコールを飲む際に気をつける事項をいくつか述べます。
熱中症や脱水症だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすことも
普段アルコールを飲むときは、家やお店の中がほとんどだと思いますが、屋内の場合はエアコンなどで温度管理がしっかりされています。しかし、炎天下、つまり外で飲む場合は外気温そのままの状態です。その中で酔っぱらうと、温度感覚が麻痺してしまって「熱い」と感じにくくなり、熱中症に陥りやすくなってしまいます。
また、炎天下でお酒を飲む場合には、何かしら体を動かしている最中や、その後が多いでしょう。海水浴や、キャンプ場でのバーべキュー、あるいはゴルフ中の休憩所での飲酒など、外でこのような時に酔っぱらってしまうと、普段のようには体が動かなくなるのです。例えば、泳ぎの達者な人でも浅瀬で溺れてしまうような、普段では考えられないような事態が起きてしまいます。
そして、大量の汗。ビールをさらに美味しく飲もうと、あえて水分を控えることも多いと思いますが、こういう状態では急激な「脱水症」の状態に陥りやすくなっています。また、いわゆる「血液ドロドロ状態」になりやすく、脳梗塞や心筋梗塞などを起こしてしまうこともあります
本来楽しいはずの炎天下での飲酒で周りの人に迷惑をかけないためには、「温度管理に十分注意して張り切りすぎない」「アルコールは控えめにする」「水分補給をこまめにする」が大切です。
最後に、このような炎天下の飲酒で引き起こされる状況は、実は普段から身近に経験されいることも多いのです。例えば、温泉や銭湯で熱いお風呂にしっかりと入った後でも「脱水」や「血液ドロドロ状態」になりやすくなります。また、意外なところでは健康のために通っているはずのスポーツジムでも起こります。一生懸命に運動した後に、熱いサウナにしっかりと入ったらどうなるでしょう?何れにしても知らないでやりすぎると後で後悔することになるかもしれません。
予防医学のプロ
久保清景さん(医療法人社団 くぼクリニック)