「ノー残業デー」を効果的に運用するポイント
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残業代欲しさに、わざと残業している可能性も
「何のために、残業をしているのですか?」。ある会社の若手社員に質問をしたところ、「ありがち」な回答が返ってきました。それは、「給料が安いので、残業代をもらえないと生活していけないのです」というもの。この回答から読み取れる問題点は、「給料が安い」ということ以上に「仕事があるから残業しているわけではない」ということです。
これは経営の視点からすると、「無駄な費用」が発生していることになります。もしかしたら、残業をしないで仕事を終わらせることができるのに、残業代欲しさに、わざと残業している可能性もあります。また、この若手社員を管理している上司が「会社に残ること」を正しいこととして特に指導をすることもないのであれば、それも会社にとっては問題です。
ノー残業デーを効果的に運用するための3つのポイント
このような会社にノー残業デーを導入することは、従業員の意識改革(若手も管理職も含めて)の第一歩になると考えられます。ノー残業デーを効果的に運用するためには、いくつかの条件があります。ひとつは、ノー残業デーにおいては、「一切の残業を認めない」ということ。この原則をうやむやにすると、結局、残業が無くならないことになります。
次に、「管理職の意識改革」を行うこと。昔の成功体験を持つ管理職には「会社に長く残っている人間が評価されるべき」というように考える傾向が見られます。しかし、「会社に長くいる=仕事に時間がかかる=経費がかかっている」ということを理解してもらわないといけません。管理職には、従業員のマネジメントをする上で、「時間=お金」という意識を再確認してもらうことが必要です。
最後に「経営者が率先して帰社する」ということも重要です。
「ノー残業デーを導入したものの形骸化している」という声を時々聞きます。それは、導入する「目的」と、導入して得られる「効果」をしっかりと経営層が把握していないからに他なりません。アベノミクスによる景気浮揚効果がどのようになるのか、はっきりしない状況において、会社の経費を抑えて最大の利益を上げるための方法として、ノー残業デーの導入を検討してみてください。
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