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サイバー補導に見るICT教育の意義

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夢のようなICTの普及、その光と影

サイバー補導に見るICT教育の意義

石川県で初の「サイバー補導」が報じられました。スマートフォンやタブレットなどモバイル端末の普及に伴う新しい犯罪の形態が社会問題化しています。警察庁のまとめによると、昨年1年間で、インターネットの掲示板や交流サイトで援助交際や下着の売買を持ちかける書き込みをしたとして、警察が「サイバー補導」した18才未満の子どもは、19都道府県で158人にものぼるそうです。

ICTとは、Information and Communication Technology(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー=「情報通信技術」)の略。コミュニケーションというキーワードが含まれ、世代や地域を超えたつながりを実現する技術を指します。しかし、この夢のような技術を使うのは千差万別な「人」であることを忘れてはいけません。

現代社会では、携帯電話やパソコンをはじめ、スマートフォン、タブレットなどの端末機器やコミュニケーションを円滑にするTwitter、Facebook、LINE、InstagramといったSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の目覚しい普及が見られ、多くの人々が気軽に集い、活発な意見交換が行われています。これらは、その場にいなくても情報が共有でき、相手と繋がるイメージから、便利な道具(仕組み)と思われがちです。しかし、ICTの普及に伴い、世代や地域を超えた犯罪行為や、犯罪行為に誘導する罠、犯罪行為に発展しかねない誹謗中傷などが増えているのも事実です。

子どもたちを犯罪から守るには、大人が率先して学ぶべき

インターネットは「知りたい情報を探せる」「知らせたい情報を発信できる」点が大きなメリットです。しかし、そこには「偽りや悪意の情報が含まれている」「発信した情報に違法性がある」といったデメリットも含まれているのです。また、「知りたい」「知らせたい」内容や相手により、「好き」「嫌い」が極端に偏りがちになる傾向があることも認識しておかなくてはなりません。このように、メリットとデメリットは常に一対で存在するものだということを、多くの大人は理解していることでしょう。

ところが、ICTはここ数年の間に急成長し、私たち大人でさえ気づかないことが多い分野です。ましてや知識や経験の浅い子どもたちが気づくはずもなく、犯罪と知らずに犯罪行為に及んだり、危険を感じる間もなく被害に遭ってしまったりしているのが現実です。そんな子どもたちを守る対処方法として、不良サイトへのアクセス制限やサイト巡回などが行われていますが、この手法は子どもたちに閉塞感を与え、自由な発想や成長を妨げる結果になってはいないでしょうか。

ICTは、まだまだ気づかない(解らない)ことの多い分野ですので、私たち大人が率先して学ばなければならないのではないでしょう。子どもたちと共に学び、自身の経験や知識も伝える。こんな環境が子どもたちを犯罪から守り、健全な育成につながると考えています。

神田正範

犯罪に詳しく防犯を多角的に解説する対話型セミナー講師

防犯コンサルタント

神田正範さん(犯罪予防研究所)

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