池袋に続け!都内で人気が高まる街
今、「池袋」が人気急上昇中。その要因は?
リクルート住まいカンパニーの「みんなが選んだ住みたい街ランキング」の2014年関東版総合ランキングによれば、「池袋」は、「吉祥寺」「恵比寿」に続き第3位にランクインしています。前年2013年調査では13位とTOP10にすら入っていなかったので、突然、躍り出てきた格好です。これまで「池袋」は、日本トップクラスのターミナル機能を持ち、商業施設も豊富にありながら「地味で特徴にかける街」というイメージが定着していたように思います。
では、なぜ、「池袋」が、ここまで人気が出てきたのでしょうか?まずは「乙女ロード」に代表されるアニメ、コスプレ、執事喫茶等の集積と、駅前家電量販店の盛り返しが挙げられます。これにより、秋葉原に対抗する街として一躍注目が集まったと言えるでしょう。もともと、池袋に集まる若者にこうしたオタク的な性格があったことも、このことを加速させたようです。次に、東京メトロ副都心線と東急東横線の相互運転開始。「新宿」「渋谷」などの主要駅の乗降客数が減少したのに対し、「池袋」は大幅な増加となりました。そして、老朽化した商業施設の更新に伴う新しい商業施設の誕生。最後に、池袋を含めた周辺駅の家賃の低さである。これらを鑑みると、「池袋」は若者が住みやすい街なのです。
ワクワクする開発が目白押しの街。それは「渋谷」
今後、「池袋」に続いて大きな元気印が付く街はどこでしょうか?結論から言えば、それは「渋谷」。以前から人気がある街なので意外性に欠けますが、近年の「渋谷」は、ヒカリエと副都心線・東急東横線の相互運転くらいしか話題がありませんでした。後者は、駅の地下5階への移転による利便性の大幅低下をもたらしました。どちらかと言うと、かなり地盤沈下した印象も否定できません。では、なぜ再び「渋谷」なのでしょうか?
実は、東京の中で「渋谷」こそ、すでにあるポテンシャルをさらに爆発させそうなワクワクする開発が目白押しなのである。新線については、東急東横線と相鉄線の相互直通運転が予定されており、渋谷駅と羽田空港をつなぐ新空港線の構想も存在します。渋谷駅はホーム位置の変更といった大改修がなされ、乗降、乗り換え、周辺施設へのアクセスビリティが飛躍的に改善します。2020年には、駅街区に230㎡のシンボルタワーが建ち、渋谷最大の複合商業施設がオープンする予定です。そして、渋谷川を再生し、緑の遊歩道と賑わい広場を設置する「春の小川」計画も進められています。
また、「渋谷」はIT企業のメッカである上、南街区の「クリエイティブ・コンテンツ産業の重要拠点」としての再開発も加わって、若者が多い活きの良い企業が更に集積するでしょう。道玄坂街区にも2018年度には高さ120㎡の複合商業施設が完成する予定です。加えて、「渋谷」は、「青山」「外苑前」「表参道」「原宿」と近接し、オリンピックメイン会場の新国立競技場からの人々の動線の終着点として賑わう可能性が高いといえます。
つまり、ファッションの最先端を追う若者、情報・演劇等のエンターテインメント系やIT、アニメ、デザイン系の流行を引っ張る面白い人々が引き続き集まってくるためのインフラが、エリア全体で有機的に整備されていく予定なのです。結果として、「渋谷」は本来の「オシャレでエッジがきいた街」というイメージを維持しつつ、そこに文化の香りや成長企業をさらに取り込み、ブランドイメージの高い街として再構築され再評価されることとなるでしょう。
人生をサポートするマネー運用アドバイザー
賀藤浩徳さん(賀藤リサーチ・アンド・アドバイザリー)