大学受験に親は付き添うべきか?
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同行する親の増加で東北大二次試験でトラブル発生
東北大学
の二次試験で、同行する親が増加したことでバスが満員になり、そのあおりで乗り切れない受験生が続出。試験開始が30分遅れるという珍事件が起きました。今時の親は「過保護すぎる」「大人になれていない」などと、同伴する親への批判的意見が多く聞こえてきます。
しかし、この現象は何も今に限ったことではありません。団塊世代の私たちの大学受験の時にも、数は少ないながら、このような親は既に存在していたのです。当時から、大学入試に付き添う親はホテル業界にとってのターゲットでした。だから、受験シーズンになると「受験パック」商品も登場したわけです。
過保護な傾向は年々エスカレート
この傾向は年々エスカレートし、試験前の下見から、合格した時の部屋探し、挙句の果てには入社式まで同行する親や、「親の婚活」「親の代理見合い」まで登場してきました。子が結婚にネガティブだから、親がアクティブにならざるを得ないということでしょうか。大学進学率の向上および少子化現象は思わぬ現象を巻き起こしていますが、どうやら「子を温室で何不自由なく育てたい」親と、「厳しく育て免疫力を養わせたい」親に分かれるようです。どちらが良い悪いは一概には言えませんが、私は後者を支持します。
昔から「獅子は子を谷底に蹴落とす」や「可愛い子には旅をさせよ」と言われます。現代は、「旅」は楽しいものですが、昔は危険を伴う厳しいものでした。本当に子どもが可愛いかったら、あえて苦労をさせて、厳しい試練を与えよという教えです。
親が主体的に変容を遂げ、より良い見本を示すべき
日本では「子は親の背中を見て育つ」、欧米では「雛鳥は親鳥の通りにさえずる」と言われるように、親が主体的に変容を遂げ、より良い見本を示さなくてはなりません。子が大学受験する時に親が取るべき態度は、慣れない土地まで同行して受験に便宜を図ることではないはずです。子を客観的に見て、子の思いや実力を把握するとともに、子の体調管理と費用の捻出に専念し、子を信頼し「頑張ってこい!」と肩を叩いて送りだしてやることではないでしょうか?
「親しき仲にも礼儀あり」と言います。親が焦ったり、親の見栄や体裁や価値観を優先したりしてはいけません。いくら自分の子どもでも、受験生には立派な人格があります。それを尊重し、思いやりの心を抱くことが大切です。バスが満員になり積み残された学生を見たら、受験生を優先させてこそ「親」です。
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