生活再建に役立つ「家計の防災」
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避難方法や備蓄と合わせて家族で話し合いたい「家計の防災」
ここ数年、大地震、巨大台風、竜巻、豪雪など、自然災害が頻発しています。非常時の避難方法や、食料・飲み水の備蓄などを話し合っている家庭は多いことでしょう。しかし、「家計の防災」について、話し合いや情報収集をしたことはありますか?万が一、災害に遭った場合、公的支援の制度があることを知らないばかりに、せっかくの制度を利用できなかったり、また、加入している保険の補償内容を把握していなかったために保険金を受け取れなかったりという残念なケースが後を絶ちません。
災害はいつ起こるかわかりません。日頃からの備えが重要です。災害時の公的支援や保険制度にどんなものがあるのか整理してみましょう。
自然災害で住宅倒壊や死亡。受けられる公的支援制度
暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により、10世帯以上の住宅が全壊する被害が発生した市町村においては、その自然災害で住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対し「被災者生活再建支援制度」から最高で300万円が支給されます。
また、一つの市町村で住居が5世帯以上が滅失した自然災害では、生計維持者が死亡した場合は最高で500万円 、その他の人が死亡した場合は最高で250万円の災害弔慰金が、死亡した人の配偶者、子、父母、孫、祖父母に支給されます。
重度の障害(両眼失明、要常時介護、両上肢ひじ関節以上切断等)を受けた場合、生計維持者に最高250万円 、その他の人に最高125万円の災害障害見舞金が支給されます。その他、支給要件に該当すれば遺族年金や障害年金が支給されます。
自然災害に備えて火災保険に加入を。補償内容は要確認
その他にも公的支援等はありますが、被災後の生活の再建には、公的支援だけでは不十分です。公的支援に加えて民間の保険を上手に利用することが安心につながります。
火災保険は火災による損害だけでなく、保険の種類や特約などのセット内容によって、さまざまな自然災害による住宅の損害にも対応します。ただ、自然災害であっても地震、噴火、津波などは支払い対象外ですので、これらの災害に対処するためには地震保険に加入しておく必要があります。
「風災・ひょう災・雪災の場合の補償は損害額が20万円以上の場合に限る」や、水災(この部分でゲリラ豪雨や大雨により床上浸水、土砂災害などがカバーされます)については、プランによって補償内容が異なります。契約に際しては、補償内容を十分に確認しておくことが必要です。
医療保険や生命保険に加入できない人は傷害保険への加入を検討
また、傷害保険の場合、医療保険などと違い、通院のみでも1日目から保険金の支払い対象になります。病気は対象外となるものの、医療保険や生命保険に比べると加入が容易です。医療保険や生命保険に加入できない人は、万が一に備えて検討するのも方法のひとつです。なお、傷害保険は、地震などによるケガは基本的に対象外です。災害時の補償を目的に加入する際は、特約を付帯する必要があります。
災害に遭ってしまうリスクは、地域の特性や立地、建物の状況などにより大きく変わってきます。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で、住む場所が抱える災害リスクを把握しておくこともオススメします。災害に遭ったら、まずは身の安全の確保が重要ですが、落ち着いたら、被害を受けた建物等の写真を撮っておけば、後々役に立つ場面が出てくるでしょう。
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