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6割が経験「職場いじめ」泣き寝入りしないために

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労働相談の中で、「いじめ・嫌がらせ」が占める割合が増加

6割が経験「職場いじめ」泣き寝入りしないために

インターネット上のアンケートで、約6割の人が「職場でのいじめ」を経験しているというショッキングな結果が出ました。都道府県労働局への労働相談の中で、「いじめ・嫌がらせ」が占める割合は、2002年度が6.4%だったのに対し、2010年度は16.0%と2.5倍に。解雇に次いで2番目に多い相談件数となっています(厚生労働省)。

職場いじめの多くは、上司など立場の強い者から弱い者への「パワーハラスメント(パワハラ)」。インターネットアンケートでも、「職場いじめの加害者の4割以上が上司」という調査結果が出ています。また、いじめの内容は、「言葉の暴力、仲間外れ、陰口、無視」が80%を占めており、被害者が精神的に追い詰められるケースが多いようです。

職場いじめ・パワハラで泣き寝入りしない段階別手段

職場いじめやパワハラ被害にあうと、その精神的・肉体的苦痛は計り知れません。しかし、あきらめて退職するのではなく、予防を含め、何らかの手立てを取ってほしいと思います。以下に、泣き寝入りしないための手段を段階ごとに紹介します。

(1)?被害にあわないために、日頃からコミュニケーションを大事にする。そして、風通しの良い人間関係を作り、いじめやパワハラを受けない環境を作る(予防)。
学校で起きるいじめと同様、職場いじめもコミュニケーション不足がその原因となっている場合が多く見受けられます。見て見ぬふりができない環境づくりが大切です。

(2)相談できる人を見つける、見つけておく。
一人で抱え込まず、必ず第三者に話を聞いてもらうようにしましょう。

(3)被害にあったら、メモを取るなど証拠を集める。
後々、紛争になった場合の証拠になるという意味だけでなく、被害の証拠を収集整理することで、自分が冷静になり状況を客観視できる効果もあります。

(4)社内の相談機関があれば利用

(5)労働局などの外部相談機関を利用
集めておいた証拠を活用して、専門機関で適切に対処してもらえるようにしましょう。

職場いじめ放置で、企業が安全配慮義務違反で訴えられることも

職場いじめ・パワハラは、加害者の性格といった個人的要因だけで起こるものではありません。いじめやパワハラを放置・黙認するような企業風土も、その一因となるのです。つまり、当事者間だけではなく、職場全体の問題ともいえます。

昨今、いじめやパワハラを理由に、加害者のみならず企業が訴えられるケースが増加しています。使用者には、労働者の生命・身体などの安全を確保するよう必要な配慮をする義務(安全配慮義務)があり、いじめ・パワハラを放置・黙認していたことが、この安全配慮義務に違反するとして、企業側に損害賠償責任を認める判決例も出ています(事例:さいたま地判、H16.9.24)。今一度、職場いじめ・パワハラ防止対策を見直すことが必要なのです。

人事労務コンサルティングの専門家

大竹光明さん(社会保険労務士法人大竹事務所)

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