妊娠・育休トラブル増加。企業ができる予防策
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妊娠・育児休業の取得率は徐々に上がるもトラブルが増加
安倍首相は、成長戦略の実行に向け、女性の活用を重視する考えを今年に入ってあらためて示しています。しかしながら、出産前に仕事をしていた女性の約6割が出産を機に退職しているという状況は大きな問題となっております。
一方で、育児休業制度は、法律も頻繁に改正され、従業員にも浸透し始め、取得率も徐々に上がってきていますが、それと同時に妊娠・育児休業に関して企業とトラブルになることも増えてきています。企業側の対応に問題がある場合もあれば、お互いのボタンの掛け違いが原因のようなものもあり、トラブルの種類も様々です。
そこで今回は、妊娠・育児休業トラブルの種類やトラブル予防のために企業ができることをまとめてみます。
出産・育児休業の法律や基本ルールを理解し、遵守する姿勢が重要
中小企業の中には、労働基準法や育児・介護休業法の規定をまったく無視して、女性社員が妊娠すると退職勧奨するところもあります、また、育児休業後に「やってもらう仕事がないから」と言って、職場復帰を拒否したりするところも少なくありません。
従業員側も今までならそのような不利益な扱いにも泣き寝入りすることが多かったものの、近年はインターネット上に情報があふれ、法律にも詳しい人が増えてきて、すぐにトラブルに発展してしまうようになりました。都道府県の雇用均等室に申し立てる従業員もおり、企業防衛のためにもトラブルを予防する仕組みが一段と重要になってきています。トラブルの種類としては下記のようなものが多くなっています。
<妊娠・育児休業のトラブルの種類>
・妊娠又は出産に伴い、退職勧奨・解雇
・妊娠又は出産に伴い、労働条件の不利益変更(賃金・職種など)
・必要な社会保険・雇用保険の手続きのミスや漏れ
・育児休業の取得を拒否
・育児休業後の職場復帰を拒否・復帰後の配置転換
・妊娠中や職場復帰後の遅刻・早退・欠勤・短時間勤務に関すること
・就業規則・育児休業規程の不備、規定どおり運用されていない
このようなトラブルを防ぐためには、企業側は、まずは法的に規定されている出産・育児休業に関連する法律や基本的なルールを理解し、遵守しようとする姿勢が最も重要です。次に、就業規則や育児・介護休業規程を完璧に整備するとともに、常に関連する実務レベルでの運用面の課題も早急に解決しなければいけません。育児・介護休業法は特に法律の改正が頻繁にあるので、その点も強く意識しておく必要があるといえます。
「出産・育児休業制度運用マニュアル」の作成がオススメ
各企業は、妊娠・育児休業・職場復帰に関する制度運用マニュアルを作成することをオススメします。できるだけ図をたくさん使い、大体の流れについて作成しておくと良いでしょう。実務担当者はマニュアルがあれば手続き漏れなどを防ぐことができますし、従業員側も企業担当者への不信感を払拭することができます。
さらに、従業員側にも同じようなマニュアルを渡しておくと喜ばれます。特に社会保険や雇用保険から給付されるお金に関するところは、生活に直結しており、ちょっとしたことでトラブルになるケースを見かけるので、予防にも大いに役立ちます。
最後に、企業側が従業員との話し合いを避けると何事もうまくいきません。妊娠が発覚した段階から上司にあたる人が質の高いコミュニケーションを小まめにとることが何よりも大切なポイントとなることを忘れないでください。
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