成人すると加入が義務付けられる国民年金って?
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20歳の誕生月には、国民年金加入の案内が送付される
20歳の誕生日を迎え成人すると、国民年金に加入しなければなりません。誕生月には日本年金機構から国民年金加入の案内が届くので、忘れずに市町村役場で手続きをしましょう。
その後、年金手帳と納付書が届きます。年金手帳は大事に保管し、納付書を使って保険料を納付します。20歳でもアルバイトや学生で所得が少なく、保険料の納付が難しい場合は免除・若年者納付猶予、学生納付特例制度があるので利用することができます。
納付が難しい場合は、若年者納付猶予や学生納付特例制度を利用
免除は、本人、配偶者及び世帯主の前年所得による審査で、全額免除から4分の1免除まであり、例えば、全額免除であれば将来の年金額には全額納付時の2分の1が反映されます。若年者納付猶予は、30歳未満の本人のみの前年所得により審査があり、承認されれば将来の年金額に反映はありませんが、年金を受け取るための期間としてカウントされます。学生納付特例は、学生納付特例の対象校の学生の場合、本人のみの前年所得により審査があり、承認されれば若年者納付猶予と同じように、年金を受け取るための期間としてカウントされます。
そして、年金制度に加入すると次のいずれかの被保険者となります。
第1号被保険者=日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人
第2号被保険者=厚生年金保険の被保険者及び共済組合の組合員又は加入者(65歳以上の加入者は老齢年金などの受給権者となっている人を除く)
第3号被保険者=第2号被保険者の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満の人
どの制度に加入しているかによって、将来に受給できる年金額や負担する保険料の金額が異なってきます。
老後だけではない、「いつ起こるかわからないリスク」のために
新成人にとって、年金は自分には縁のない、遠いものと感じられるでしょう。保険料を納付しなければならず、負担ばかりに目がいくかと思います。しかし、年金は老後のためだけではなく、障害年金、遺族年金といったものもあります。
重い病気やケガで定められた障害等級に該当した場合に、年金が支給されるのが障害年金で、初診日において、どの制度に加入していたかにより、障害基礎年金と障害厚生(共済)年金があります。 遺族年金は、被保険者や受給者が亡くなった場合に、生計を維持されていた対象となる遺族に年金が支給されます。
年金を受け取るためには「保険料納付要件」があり、障害年金であれば初診日の前日、遺族年金であれば死亡日の前日において、加入すべき期間の3分の2以上が納付済か、免除の期間が必要です。それを満たしていないと1円ももらうことができません。さかのぼって払っても、納付要件としては満たしたことにはなりません。
「年金はもらえるかどうか分からないから払うのは損」、「保険料を払う代わりに貯金する」という風潮がありますが、上記の障害や死亡のように「いつ起こるかわからないリスク」のために、最低限の備えが必要です。年金は、現役世代が年金受給者を支えるという世代間扶養の仕組みであり、損得で考えるような金融商品ではありません。自らのためにも、忘れずに手続きしましょう。
リスク対応型就業規則作成と障害年金請求の専門家
松本明親さん(社会保険労務士 松本事務所)
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