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「母さん助けて詐欺」に名称変更。被害に遭わないための対処法

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法律関連

巧妙化する「母さん助けて詐欺」の手口

先日、「振り込め詐欺」から「母さん助けて詐欺」へと名称が変わりました。これは、銀行のATMから振込送金させる手口に代わり、自宅まで直接にお金を受け取りにくるなど、現金での受渡しをさせる手口が増えているという実態に合わせて、警察庁が新名称を募集した結果。名称が変更されたものです。

平成25年1月から4月末までの間に東京都内で発生した「母さん助けて詐欺」の被害は、およそ22億2520万円で,そのうちの6割が、息子になりすまして電話をしてくる手口と報告されています。例えば、「電車で痴漢がバレた。被害者の弁護士から示談金を支払わなければ、警察に被害届を出すと言われている。自分は動けないから、代わりの者にお金を取りに行かせる」などと電話してきて、電話に出た高齢の女性からお金を騙し取るのです。不審に思った女性が息子に電話をして確認されることを防ぐために、事前に「電話番号が変わったから、新しい番号を登録しておいて」などと電話してきて登録電話番号を変更させておくとか、弁護士や警察官を名乗る複数の人物を電話に登場させるなど、信じ込ませる手口は巧妙です。

「母さん助けて詐欺」の被害に遭わないための対処法とは?

では、このような詐欺被害に遭わないためには、どうしたらよいのでしょうか。基本的には在宅中でも留守番電話に設定して、着信時の電話番号に心当たりがないのであれば、電話に出ないようにしておくことに越したことはありません。次に、電話に出てしまった場合でも「代わりの者にお金を渡して」「電話番号が変わった」などと言われたり、即日の振込みないし現金受取りを求められた場合には、「詐欺の電話」だと疑うことが重要です。この段階で相手の言っていることを信用してしまうと、そこから抜け出せずに被害に遭ってしまいかねませんから最初の段階で疑うことが重要です。

その上で、
■とにかく落ち着いて、「今は手が離せないので、折返し電話をする」と答えて一旦は電話を切ること

(1)相手が警察官を名乗った場合には、警察官の氏名、所属警察署、所属部署を聞き、一旦、電話を切った上で相手から教えられた電話番号ではなく、インターネットや電話帳などでその警察署の電話番号を調べ、そのような警察官が実際にいるかどうかを確認しましょう。

(2)相手が弁護士を名乗った場合には、弁護士の氏名、どこの弁護士会に所属しているのかを聞き、一旦、電話を切った上で、相手から教えられた電話番号ではなく、インターネットや電話帳などでその弁護士の電話番号を調べ、直接その弁護士に電話をして、さきほどの電話の有無を確認しましょう。

■そして、その上で必ず家族や知人、警察に相談すること

上記で被害に遭うことを防止できます。一人暮らしの場合であっても、必ず誰かに相談することが重要であることを肝に銘じておいてください。

田沢剛

法的トラブル解決の専門家

弁護士

田沢剛さん(新横浜アーバン・クリエイト法律事務所)

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