ネットでの誹謗中傷は犯罪!救済策は?
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名誉毀損は民事上も刑事上も責任を負わなければならない
昨年2013年は「『Twitter』炎上の年」だったとも言われているようです。「バカッター」という言葉が一時期流行ったりもしました。まさに炎上中は対象の人や企業がいわば「悪者」に見えますが、炎上に加担している側も発言にはくれぐれも気をつけないといけません。
インターネットは一見、匿名性があり、残念ながら誹謗中傷が絶えない世界です。気晴らしや憂さ晴らしというような気持ちで誹謗中傷する人もいるようですが、受けた側は精神的にも大きく傷つき、業務妨害になることもあります。また、名誉毀損は民事上も刑事上も責任を負わなければならない場合もありますので、軽い気持ちで書いたはずが重大な結果を招くこともあります。
プロバイダ責任制限法に基き発信者の開示を申し立てることも可能
では、このような被害に遭ったとき、どう対処したら良いでしょうか。まず、掲示板やSNSの場合、運営者に対して削除要請を求めるのも一つの方法です。まずは、誹謗中傷の内容等を特定・保全するため、印刷し、文書(できれば内容証明)で削除依頼をするようにしましょう。一般的に利用されているSNSであれば名誉・信用毀損行為は禁止行為に含まれています。
また、自分では削除依頼が難しく、対応してもらえないということであれば「プロバイダ責任制限法」に基づいて情報の発信者を開示するための申し立てを行うことも考えられます。直接プロバイダ等に開示請求することもできますし、やや時間はかかりますが、裁判所を通じて申し立てる場合もあります。「開示請求についてよくわからない」というのであれば、法務局の人権擁護局に申告することができます。
調べれば送信者を特定できる。損害賠償請求や告訴も
発信者が開示されれば、損害賠償請求や訂正等の措置を求めることができる可能性があります。実際、判例でもインターネット上のウェブサイトに掲載された情報について不法行為を認めたものがあります。刑事上の責任として態様や内容が悪質な場合は警察への被害届や告訴も考えられます。相談の際には誹謗中傷された内容を持っていくようにしましょう。判例には、インターネットの個人の利用者が掲載した文章が名誉棄損罪に当たるとしたものがあります。
そして、名誉毀損にあたるということであれば、多くの人の目に触れないようにするために、GoogleやYahoo等の検索エンジンの検索結果から外すよう依頼することも有用な方法です。Googleでは申請のフォームがありますし、Yahoo!の場合は文書で削除依頼をお願いすることになります。
冒頭に「一見、匿名性がある」としましたが、実際は調べれば送信者を特定できるのがインターネットの世界。他人や会社の信用を貶める行為は、リアル同様に処罰されることがあるのをお忘れなく。
身近な相談相手として、問題を解決できる女性弁護士
白木麗弥さん(ハミングバード法律事務所)
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