年収の1割を確実に貯める!プロが教える貯金術
「いつまでに」「何のために」「いくら貯金する」を心に決める
貯金成功に最も必要なものは「気合い」です。冗談だと思われるかもしれませんが、これまで何人ものマネー相談を担当してきた結果、やはり貯金は「気合い」なのです。「気合い」という言葉は「ゴール設定」と言い換えても良いかもしれません。いずれにしろ、「いつまでに」「何のために」「いくら貯金する」と心に強く思えるかどうかが、貯金ができる人とできない人の分かれ目です。
これといって明確な貯金の目的が絞れないのであれば、毎月の手取りの1割を貯金額としてみましょう。手取りが30万円なら、3万円が月の積立額です。最初は1割貯金さえも厳しい感じがするかもしれませんが、住宅ローンなどでは年収の25%程度までを返済可能とされているケースも多いと言われていますので、少し厳しめの目標を自分に課すくらいが良いでしょう。
積立定期や財形貯金制度で強制的に貯金を実行
毎月の貯金額が決まったら、日々の生活のために使う口座とは別に積立用の口座を作り「使う前に強制的に積立」をしましょう。例えば、ソニー銀行の積立定期は1年もの0.25%と一般の都市銀行より金利も良くてオススメです。給与が振り込まれる銀行で、自動振替の手続きを依頼しておけば、強制的に積立を実行することができます。
もし、会社に財形貯金制度があれば、それを利用するのも良いでしょう。給与天引きで貯められますし、引き出す時は会社を通じて手続きをしなければならないため、簡単に引き出せず貯金の強制力が増します。
会社に確定拠出年金があってマッチング拠出(個人の積立)が認められている場合は、ぜひ活用しましょう。こちらは積立のお金に対して節税ができるというオマケ付きです。所得税は最低でも5%、住民税は10%の税率ですので、積立額に対して最低15%の節税(税金のキャッシュバック)が得られるので、お得感はあります。
毎月決まった額を貯金できれば、残ったお金は全額使っても良い
「お金が余ったら貯金をしよう」と思っていると、まず100%貯金はできません。「多少無理をしてでも毎月一定額を積立てる」。これがポイントです。また、日々の生活では、節約することを考えるより貯めることに集中した方が効果的です。毎月決まった額を「貯金専用口座」に移し、残ったお金は全額使っても良いというルールにするのです。これであれば残りのお金を使い切っても、きちんと貯金残高は毎月増え続けるので、ストレスも少なく、達成感も味わうことができます。
貯金の成功は、まず「絶対お金を貯める!」という気合いを持つ。そして、決めた金額を使う前に貯金用の口座に移す「仕組み」をつくる。これで1年後に確実に貯金ができているはずです。貯金が計画どおりに実行できたという成功体験は、本格的な資産形成に向けた大きな自信につながります。
年金・資産運用に強い独立系ファイナンシャルプランナー
山中伸枝さん(株式会社アセット・アドバンテージ)
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