マイベストプロ

JIJICO powerd by マイベストプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. JIJICO
  3. 法律関連
  4. 公職選挙法、どのような行為が違反?

公職選挙法、どのような行為が違反?

カテゴリ:
法律関連

選挙の公正を確保する目的で規制を設ける公職選挙法

公職選挙法、何をすると違反?

真の民主主義政治が行われるためには、選挙そのものが公正に行われる必要があることは言うまでもありません。選挙の過程が捻じ曲げられた選挙では、ある特定の利益を代表する者のみが当選することにつながり、国民の多様な意見が政治に反映されなくなります。

公職選挙法では、選挙の公正を確保する目的で、政治家や後援団体による寄付の禁止(同法199条の2~)や、事前の選挙運動の禁止(同法129条)、戸別訪問の禁止(同法138条)、飲食物提供の禁止(同法139条)、あいさつ状の禁止(同法147条の2)など、広汎な規制を設けています。そこで、どのような行為が許され、あるいは、アウトになるのか、代表的な上記について具体的に説明します。

公職選挙法に抵触する代表的な5つの事例

まず、政治家や後援団体による寄付について。これは、選挙区内の者に対する一切の寄付が禁止されていますので、招かれた結婚式で祝儀を出すことや葬式で香典を手渡すこと、お中元やお歳暮を贈ることなどもできなくなります。

次に、事前運動の禁止です。選挙運動は、公示日(告示日)における候補者の届出があった日から選挙期日の前日までしか許されていません。その間であれば、電話による選挙運動も可能です。もちろん、深夜に行うなど、相手の平穏な生活を侵害するような態様で行うことは論外です。

そして、戸別訪問の禁止。戸別訪問は、買収、利益誘導、威迫などの不正行為の温床となることなどを理由に禁止されています。他の用件で選挙人の自宅を訪問したついでに投票依頼をしたとしても、やはり許されません。

さらに、飲食物提供の禁止では、誰であっても選挙運動に関して飲食物の提供をしてはならないものとされています。ただし、「飲食物」といっても「湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子」や、選挙事務所で食事をするために提供される弁当は除かれています。また、選挙区内の者に対し、「答礼のための自筆によるものを除き、年賀状、寒中見舞状、暑中見舞状、その他これらに類するあいさつ状(電報その他これに類するものを含む)」を出すことも禁止されています。あいさつ状の文面そのものは印刷し、名前を自署するといったものでも許されていません。

公職選挙法の罰則の最初に規定される「買収」は最も悪質

最後に、選挙後にしばしばニュースで取り上げられるのは「買収」です。公職選挙法221条1項は、当選目的(あるいは当選させない目的)で「金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与」をした場合のみならず、供与の申込み又は約束をしたこと、その相手方となったことなども処罰の対象としています。買収は、悪質なものとして罰則の最初に規定が置かれています。

今回、徳田毅衆議院議員の姉ら6人が公職法違反容疑で逮捕されたケースは、衆議院選挙の選挙運動に関わった系列病院などの職員らに選挙運動の報酬として、約1億4750万円相当の現金や航空券代を支払ったものとされています。その規模も大きいため、これが本当のことであれば選挙の公正を極めて害するものといえるでしょう。

田沢剛

法的トラブル解決の専門家

弁護士

田沢剛さん(新横浜アーバン・クリエイト法律事務所)

Share

関連するその他の記事

相続登記の義務化と手続きの簡略化で所有者不明土地の問題解決へ。放置物件の有効利用は進むか?

法改正で放置物件の処遇がスムーズになり、問題の解消が期待されます。現在、地方に空き家を所有している人、これから相続問題を考える人にとっては、どのような意味があるのでしょうか。司法書士・行政書士の能登ゆかさんに聞きました。

能登ゆか

能登ゆかさん

相談者の心に寄り添う司法書士

あっせん団体「ベビーライフ」廃業で問題に。特別養子縁組とは?海外に比べ養子制度が浸透しないワケ

特別養子縁組の制度とはどのようなものでしょうか。海外へのあっせんや出自情報の管理など、今後の課題は。弁護士の半田望さんに聞きました。

半田望

半田望さん

市民の法律問題を一緒に解決する法律のプロ

「同性婚の不受理は違憲」歴史的と言われる判決のポイントは?同性婚をめぐる法整備への第一歩となるのか?

同性婚をめぐる全国初となる判決が、3月17日に札幌地裁で出されました。裁判の争点や、判決のポイントを弁護士の片島由賀さんに聞きました。

片島由賀

片島由賀さん

逆風を追い風に変える弁護のプロ

銀行の認知症対応が柔軟に 家族が認知症になったら預貯金は引き出せる?お金の管理はどうすればいい?

家族が認知症になると、医療費や介護費など、お金のことも大きな問題となります。認知症に備え、家族が考えておきたいお金の対策を司法書士の池内宏征さんに聞きました。

池内宏征

池内宏征さん

次世代に負担ない相続対策「家族信託」の専門家

カテゴリから記事を探す

キーワードから記事を探す