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メニューの虚偽表記、間違いなく刑事罰の対象に

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景品表示法違反で2年以下の懲役又は300万円以下の罰金の可能性

メニューの虚偽表記、間違いなく刑事罰の対象に

ホテルやレストランなどの食材偽装やメニューの虚偽表示が社会問題化しています。これに対する刑事罰として、どのようなものが考えられるのかを関連する法律に基づいて検討してみます。

まず、JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)や食品衛生法があります。前者は、主に店頭などで小売りされている食材や加工食品を対象に原材料等の表示のあり方を、また、後者では、「公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示又は広告」を規制しています。これらの法律では、とりあえず飲食店のメニュー表示は問題とはならないでしょう。

そこで、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)が出てきます。「実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を提供している他の事業者に係るものよりも著しく優良であることを示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するとおそれがあると認められるもの」(優良誤認表示)を規制しています。内閣総理大臣による措置命令を受けても、これに従わない場合、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金(場合によりこれらを併科)に処せられます。

不正競争防止法違反も。刑事罰の対象となり得ることは間違いない

さらに、不正競争防止法があります。「商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくはその表示をして役務を提供する行為」を不正競争の一つと定めています。不正の目的でこれを行った場合や、虚偽の表示をした場合には、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金(場合によりこれらを併科)に処せられます。

最後に、もっともポピュラーな刑法があります。いわゆる詐欺罪です。「人を欺いて財物を交付させた者」は10年以下の懲役に処せられます。

メニューの虚偽表示が詐欺罪に該当するとはいっても、被害者を特定する必要があります。そこをクリアできない場合には、景品表示法や不正競争防止法での処罰を考えざるを得ません。ただ、いずれにしても刑事罰の対象となり得ることは間違いないことです。

田沢剛

法的トラブル解決の専門家

弁護士

田沢剛さん(新横浜アーバン・クリエイト法律事務所)

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