入社時の学歴・経歴詐称でクビになる?
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単純に「見栄を張りたい」だけでは問題ないが…
芸能人が実際よりも年齢を若く公表する「サバ読み」をよく耳にします。イメージを売る仕事では、どうしても「良いイメージを与えられる形」に整えようとするのでしょうが、バレてしまった後のフォローも大変そうです。
さて、年齢や学歴、経歴を私たち一般人が詐称すると、どうなるのでしょうか?
友人や知り合いに対して単純に「見栄を張りたい」ということであれば、特に法律上の問題はありません。しかし、この学歴や経歴詐称によって、相手を信じこませて「お金を出させる」「何かを買わせる」となると、この詐称自体が詐欺の一部に該当することがあります。
採否の決定に詐称が関わるのであれば懲戒解雇となる可能性
では、履歴書に事実と異なる年齢、学歴や経歴を記載すると、どうでしょうか?例えば、採否の条件として「大学院卒」が挙げられている場合、中途採用で職歴が採否のポイントになるように、採否の決定に詐称が直接関わるのであれば懲戒解雇となる可能性があります。一方で、このこと自体が入社後の処遇に影響がなければクビにならないことももあります。実際の裁判でも、学歴を詐称したケースにおいて、仕事内容に学歴の位置づけが二次的ということで、懲戒解雇は無効されたことがありました。
また、法律上、就労できない年齢であったにもかかわらず、年上に見せた場合、これは会社が法律違反を犯してしまうことになりますので、クビになる可能性が高いでしょう。資格についても、資格手当等の処遇に関わることがあるようなときは解雇されても仕方ありません。
不景気でなかなか仕事が決まらない現代ですが、毎日顔を合わせる相手を選ぶ就職活動、転職活動で「見栄を張る」ことは、そもそも相手からの信頼関係を崩すことになります。そして、実は「詐称は結構バレてしまうもの」ということを忘れないようにしたいものです。
身近な相談相手として、問題を解決できる女性弁護士
白木麗弥さん(ハミングバード法律事務所)
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