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取引先が反社会的勢力だったら…その対応策と予防策

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反社会的勢力の侵入を許した企業は「共生」とみなされる

取引先が反社会的勢力だったら…その対応策と予防策

暴力団等に対する利益供与の禁止等の規定を持つ「暴力団排除条例」が全国で施行されたことにより、金融機関だけではなく、一般の事業を行っている企業も排除のための十分な対応を迫られることとなりました。これらの対応をとっていないがために、反社会的勢力の侵入を許した企業は、これからは「反社会的勢力の被害者」ではなく、反社会的勢力と「共生」しているものとみなされ、他社から取引を行うかどうかの可否を判断されてしまう事態にもなりかねません。

社内において役職員の意識を高め、報告体制を整え、情報の共有化をはかる、といった仕組み作りが求められるでしょう。

反社会的勢力であることが発覚した場合、早期に契約終了への対応を

取引先が反社会的勢力と知った場合の対応としては、契約締結前であれば、締結を拒絶しましょう。締結後であれば暴排条項(契約書の中に契約の相手方が暴力団等の反社会的勢力に該当しないことを示した上で、万一、取引開始後に反社会的勢力であることが発覚した場合に契約を解除できるとする条項)による契約の解除や、その他の期間満了や解約条項等を利用して早期に契約を終了させる対応をとってください。

いずれも書面による通知により明確に意思表示することが重要です。併せて、警察・暴追センター等の関係機関への協力を要請しつつ、社内において、その後の不当な要求や暴力的な要求への対応策を講じておきましょう。

なお、契約締結後の解除については、解除原因の立証ができなかった場合、債務不履行の損害賠償責任等の法的リスクが伴います。後日、排除した相手方から訴訟提起された場合を想定して、反社会的勢力かどうかの判断を慎重に行い、その際の調査資料は必ず残しておくべきでしょう。

契約書に暴排条項を盛り込むことは必須

まずは、取引前のチェック体制を強化して、疑わしい企業との契約を拒絶できるようにしたいものです。登記簿、インターネット情報、取引条件の確認、現地確認、財務分析等の調査により、怪しい取引先や取引条件がないかを社内でチェックできる体制を整えることが重要です。

また、暴排条項は、事後に取引先が反社会的勢力であるとわかった場合に契約を終了できる有効な手段となります。事前の対策としては、契約書に暴排条項を盛り込むことは必須の予防策といえるでしょう。

企業法務と事業承継支援の専門家

大西隆司さん(なにわ法律事務所)

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