米デフォルト危機のリスクを回避する資産防衛策
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デフォルト危機とは?リーマンショック以上の日本への影響も
アメリカは日本同様、国債を発行し、借入金で国費をまかなっています。ただ、際限なく国債を発行している日本と違い、アメリカは法律で借入上限が決まっているため、限度額を超えるには議会の合意が必要になります。しかし、現在、アメリカ版「ねじれ国会」(上院は民主党、下院は共和党が与党)で、両党が合意できない状態が続いているのです。
このままだと、10月17日に新規債権の発行が停止され、その後、支払期限がくる元本・利払いの支払いが停止・遅延すると危惧されています。その状態がデフォルト(債務不履行)です。
アメリカの国債は多く発行されており、世界各国が保有していますが、中国と日本がダントツの保有高を誇っています。日本は2位で1兆1328億ドル保有しています。デフォルトが起きると、アメリカの国債の信用度が大きく下がるため価格暴落し、日本も大打撃を受けることが予想されます。現在、上向いて推移している感のある日本経済ですが、大きく下方修正されるでしょう。
実は、世界には今までにデフォルトを経験している国が多数あり、他国に少なからず影響を与えました。もしも世界の中心国であるアメリカがデフォルトを起こせば、影響力は計り知れず、リーマンショックはおろか世界大恐慌以上の大きなインパクトがあるともいわれているのです。
デフォルトのリスクをさけるには預金か現金化が有効
実際デフォルトが起きた場合、ドルが下落し、ドル建ての外貨預金で損を生じることが考えられます。金融機関が倒産しても外貨預金は保護の対象にならない点にも要注意です。また、他の通貨も大きく影響を受けることが予想されるため、ドル以外の通貨で外貨預金をしてもリスクを回避できないでしょう。「デフォルトのリスクを徹底的に避けたい」と考えるなら、保護対象となる預金にするか、現金化して手元に持つという方法が良いと思います(預金は1000万円まで保護)。
ただし、アメリカはこれまでに何度もデフォルトの危機をささやかれながら回避してきた歴史があり、専門家の中でも「デフォルトは回避される」という見方が大半です。実際、妥協案が出始めています。このまま議会が合意せずデフォルトを起こすと、アメリカ国民は今の議員を支持しなくなることが考えられるので、私自身もデフォルトは起こらないと思っています。
しかし、今回デフォルトを回避しても後々同様の問題が起きることは必至です。日本も例外ではなく、膨れ上がった国の借金問題について根本的な解決が望まれます。
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