アベノミクスの影響により、住宅ローンは変動と固定のどちらが得か?
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現在、固定金利は都銀でも2%弱の金利で、変動金利の一番低い利率は約0.98%程度です。固定と変動の金利差は約1%ですから、3000万円を35年間借り入れると単純計算でも600万円ほどの金利の差が出てきます。変動金利が上昇する可能性があるのなら、今の低金利で固定を選んでおきたいと考える人も多いでしょう。
アベノミクスで相場上昇の傾向に
では、アベノミクス効果で日本経済はこのまま景気が上昇し、住宅金利も一気に上昇してしまうのでしょうか? 金融市場関係者の間では、既に強い相場上昇期が到来したと言われています。相場のジンクスの1つに、長期政権(たとえば、中曽根政権1982~87年、小泉政権2001~06年)でアメリカとの友好関係が強く、どちらかといえば企業寄りにシフトした政治が挙げられますが、今の安倍政権はこれに当てはまりそうな空気をまとっています。実際、安倍晋三首相の強いリーダーシップによる長期政権への布石があり、テクニカル分析(※1)でも日経平均の25日移動平均線が88日間連続して上回り、銘柄によってはゴールデンクロス(大相場)が発生しています。
日銀の積極的な長期債買い入れにより、長期金利の低下が継続?
3月の日銀で開かれた金融政策決定会議で、現段階では金利を引き上げる環境にないとして、2%の物価上昇率を達成するまでゼロ金利政策を継続することになりました。また、黒田東彦日銀総裁の下で初めて開かれた金融政策決定会合は予想以上の内容となり、円は下落、株価は上昇、債券も上昇(=金利低下)と、良いことずくめの展開になりました。大胆すぎる金融緩和策は、2年でインフレ率2倍、マネタリーベース(日銀が供給する通貨総量)2倍、保有国債の残存期間2倍以上に拡大という内容です。これらの施策は、長期国債の利回りである長期金利の低下を促します。4月の金利は、一時2003年6月の0.430%を下回り過去最低の0.425%にまで低下しましたが、18日現在は0.56%に戻しています。当面の見通しとしては、日銀の積極的な長期債買い入れが続く間は、長期金利の急激な上昇はないと思われます。むしろ長期金利の低下が続くのではないでしょうか。
よって、変動金利を選択する人が大半を占めるのではないかと予想します。
(※1)テクニカル分析とは、主に株式・商品取引・為替等の取引市場で、将来の取引価格の変化を過去に発生した価格や出来高等の取引実績の時系列パターンから予想・分析する手法。
不動産に強いファイナンシャルプランナー
二階堂敬子さん(オフィス二階堂)
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