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太陽光より経済的?地中熱を利用する住まいのメリット

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地中の熱的特性を活用する「地中熱利用住宅」

地中の温度と気温の関係

年間を通して温度変化の小さい地中の熱的特性を活用する「地中熱」は、日本中どこでも利用することができます。地表から10m程度の深さの地中は、その場所の年平均気温とほぼ同じで1年中ほとんど変化しません。

夏冬の地温と気温の温度差をエネルギーとして活用する住宅が「地中熱利用住宅」です。

「地中熱」は季節や時間帯を問わない利用価値の高いエネルギー

「地中熱」で空気を循環させる地中熱換気システムに、省エネ機器「ヒートポンプ」を組み合わせた「地中熱ヒートポンプシステム」では、省エネ効果とともにC02削減効果が得られます。地中熱ヒートポンプシステムを導入した場合の「省エネ化率」は46%。「C02削減化率」は50%となっています。

地中熱ヒートポンプの省エネおよびCO2削減効果

また、「太陽光発電」や「太陽熱利用」は降雨・降雪時や夜間に使用することはできませんが、「地中熱」は季節や時間帯を問いません。利用にあたって時間や場所の制約がないことは他の再生可能エネルギーにないメリットであり、利用価値の高いエネルギーといえます。そして、冷熱と温熱がともに利用できるため、熱利用という点では最も幅広い需要に応えられるユニークな特徴を持っています。

助成金制度の成立で普及が加速することは確実

現在、「地中熱ヒートポンプシステム」はアメリカで最も普及しています。日本で極めて少ないのは、国のエネルギー政策の中に「地中熱」がうたわれてこなかったことが大きな要因の一つとされています。しかし、改訂された「エネルギー基本計画」では、初めて「地中熱」が再生可能エネルギーとして位置づけられ、経済産業省の「再生可能エネルギー熱利用拡大政策」として、導入支援のための助成制度も創設されました。現在、「地中熱」+「太陽光発電」+「高気密・高断熱」によって「光熱費ゼロ」へ向けた研究も行われており、今後、普及が加速することは確実です。

各国の地中熱ヒートポンプの普及状況

※図表の出典:NPO法人 地中熱利用促進協会

高塚哲治

欠陥住宅問題を解決し良質な建築の創造へ導く一級建築士

建築家

高塚哲治さん(タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所)

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