離婚後、支払われない養育費をもらうには?
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備えとして養育費の支払いの決め事は公正証書に
厚生労働省の最近の統計によると、裁判や調停を利用しない「協議離婚」で離婚をした夫婦は、離婚者全体の約9割を占めているそうです。そのうち、養育費、親子面会の取り決めをしない子持ち離婚は約半数に上ります。大事な決め事をしないまま勢いに任せて離婚届を提出し、後でトラブルに陥るケースも少なくありません。離婚後のシングルペアレントは、金銭面で厳しい状況に立たされることが多いのが現状です。その後の負担を少しでも軽減するために養育費を受け取れるための「備え」をしておきましょう。
養育費をはじめ、離婚条件にはお金の支払条項がつきものです。万が一、約束通りに支払ってもらえない場合があることに備えて、公正証書を作成することをオススメします。公正証書とは、公証役場にいる公証人の面前で作成されるもので、調停といった手続きを行わずして、給料の差し押さえなどの強制執行をすることができるのがポイントです。
内容証明の送付→履行勧告→債権差し押さえの強制執行へ
養育費の支払いが滞ってきたときは、早めに対応することが肝心です。まずは、内容証明などで支払いを催促しましょう。それでも何も返ってこない・・・その場合は裁判所の出番です。履行勧告という制度では、裁判所から相手方に支払いを催促してくれます。強制力はありませんが、手続きの費用はかかりません。これで養育費が支払われた例もありますので、チャレンジしてみる価値はあります。そして、その次の手が強制執行です。債権(預貯金債権)の差し押さえが最も手間がかからない方法です。また、勤め先を知っていれば給与の差し押さえも可能です。
養育費を支払ってもらうには相手に関する情報収集が鍵
離婚後の支払いが確保できるかどうかは、相手方の環境に関する情報をどれだけ持っているかが鍵を握ります。面会交流がほとんどなされていないような場合、離婚後の勤務先の変更などわからなくなってしまい、「差し押さえる財産が見つからない」ということもありえます。もちろん、暴力を振るわれた上での離婚など、コミュニケーションがとりづらいこともありますが、養育費を支払ってもらうためには情報収集が大切であることは覚えておいてください。
身近な相談相手として、問題を解決できる女性弁護士
白木麗弥さん(ハミングバード法律事務所)
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