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ついに日本にカジノ誕生?カジノ法案の行方

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議論高まるカジノ誕生への道

ついに日本にカジノ誕生?カジノ法案の行方

6月7日、日本維新の会はカジノを含む統合型リゾートの推進に向けて、政府が指定した地域と事業者に限りカジノの運営を認める法案を衆議院に提出しました。同法案は、内閣に本部を設置し、政府が法律の施行後1年以内を目途に必要な法整備をするよう定めたカジノ設置に向けた基本法案という性格ですが、6月11日には政府の観光立国推進閣僚会議が「IR(統合型リゾート)推進法案制定を進める」としたアクション・プログラムを取りまとめるなど、カジノ誕生に向けての議論が高まっています。

これまでにも、2006年6月の自民党による公的カジノ導入についての「我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針」と題する文書にはじまり、民主党政権下において、超党派の議連として国際観光産業振興議員連盟の発足、民営カジノの合法化を内容とする2010年8月の同会長私案の発表、2011年8月の「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」の発表がありました。

今後、カジノ反対派の理解を得られる制度を整備できるかどうか

しかし、カジノ合法化については、国際観光、雇用創出、財政面でのプラスの要素があっても、さまざまな社会的弊害も指摘され、反対意見も根強く残っているところです。賭博罪(刑法185条)では、賭博をした者は50万円以下の罰金又は科料に処するとされ、原則としてカジノ行為は処罰の対象とされています。

判例では、保護法益について「国民一般の健全な勤労観念や国民経済等の公益」であると解していますが(最判 昭和25.11.22)、現実的には暴力団等が人の射幸心に付け込んで高額の賭博に引き込み、生活を破綻させるような行為が特に問題となるとされています。特別法により、競輪、競馬、オートレース、宝くじなどが公認されていますが、いずれも地方自治体等の公的機関が運営主体となることにより事業の公益性を担保しています。

一方、法案では、運営主体を民間事業者としています。内閣府に「カジノ管理委員会」を置き、カジノに参入する事業者の認可を行うとともに運営状況を監視して、不適切な場合は処分を行うとしているほか、政府に対して暴力団の排除や青少年の保護などの取り組みを義務づけ、カジノの社会的弊害に対応しようとしています。反対派の理解を得られるような制度となっているかどうかが今後の法案の成否に影響を与えるでしょう。

企業法務と事業承継支援の専門家

大西隆司さん(なにわ法律事務所)

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