副業を始めて1年、やめる人と続く人。その差を生む「最初の設計」
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副業を始める人が過去最高になっています。パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査(2025年10月公表)」によると、正社員の副業実施率は11.0%で、調査開始以来の最高水準を記録しました。10人に1人以上が何らかの副収入を得ている計算です。
ところが、別の調査には気になるデータがあります。Job総研(パーソルキャリア運営)「2025年 副業・兼業の実態調査」によると、副業への懸念として最も多いのは「収入に見合わない労力になる」(43.4%)という回答です。実際の副業収入の中央値は月約3万円(同調査)、時給換算の中央値は2,083円(パーソル総合研究所 第四回 前掲)にとどまっています。始める人は増えた。しかし、その一方で「思ったより稼げない」という現実に直面し、途中でやめてしまっているのです。
Bさん(44歳、IT系会社員)は2年前、クラウドソーシングでライティングの副業を始めました。毎週末4~5時間を費やし、月に1~2万円を稼いでいたものの、「割に合わないと感じて、半年でやめてしまいました」と言います。一方、同じ時期に副業を始めたCさん(42歳、同業)は今も副業を続け、月に8?10万円を安定して稼いでいます。最初に取り組んだ仕事の種類はほぼ同じでした。何が違ったのでしょうか。
Cさんに話を聞くと、最初から決めていたことが3つありました。
ひとつ目は「時給で考えない」という視点です。最初の半年は、稼ぎを追うのではなく実績づくりとポートフォリオの構築に充てる期間と位置づけていました。単価の安い仕事でも「見本として使える成果物をつくる」という目的を持って取り組んでいたのです。Bさんは同じ仕事を「今すぐの収入」として評価していたため、割に合わないという判断につながりました。続けている人は、最初の数か月を「投資期間」として割り切っていることが多いのです。
ふたつ目は「1つの分野に絞る」という選択です。副業を始めた人が陥りやすいのが、「何でもやる」という方向性の分散です。ライティング、データ入力、動画編集と手を広げるほど、どれも実績が積み上がりません。Cさんは自分のITスキルを活かしたコンテンツ制作に絞り、同じジャンルで実績を重ねることで単価を上げていきました。「広く浅く」より「狭く深く」が、副業で収入を増やす近道です。
みっつ目は「本業の時間を削らない設計」です。副業への懸念として「本業が疎かになる」と感じる人が31.7%にのぼる理由は、副業が本業の時間と体力に食い込む設計になっているからです(Job総研「2025年 副業・兼業の実態調査」前掲)。Cさんは「朝30分と土曜の午前中だけ」という時間枠を最初に決め、その枠の外では副業を考えないようにしていました。このようにあらかじめ境界線を引いておくことで、本業のパフォーマンスを落とさずに2年以上続けられたのです。本業と副業の両立は、意志の強さより設計の質で決まります。
副業は「始めること」より「続けること」の方が難しい。しかし最初の設計が整っていれば、継続はそれほど難しくありません。今から始めようとしている人は、「稼げそうな仕事」を探す前に「自分は何を強化し、どんな時間帯に取り組み、半年後にどんな実績を積み上げるか」を先に決めることをおすすめします。その設計に費やす1週間が、1年後の結果を大きく変えます。ぜひ今週末に、そのたった3つを紙に書き出してみてください。
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