「18歳成人」への引き下げが起業に与える影響と可能性
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若者の起業意識の高さと今までの課題
2022年4月から、成年年齢が18歳に引き下げられました。私が主宰する起業18フォーラムにも、問い合わせが増えています。
18歳で成人とされることは、多くの方面に影響を与えそうです。とくに、今まで未成年とされていた10代での起業に大きなメリットがある反面で、懸念や新たに必要とされる支援もあります。
日本政策金融公庫総合研究所の調査によると、18歳から29歳までの36%が「起業経験がある」もしくは「起業に興味がある」と答えています。若者の安定志向が度々報道される中、36%という数字は想像以上に大きく、大変驚かされました。自立心があり、経済的にも社会的にも組織に依存しないバイタリティをもった若者が増えているとすれば、今後の日本にも期待できそうです。
18歳成人の引き下げによる3つのメリット
以前の20歳成人では、10代で起業するためには、必要な諸契約の度に親権者の同意書が必要であり、起業したくても本人だけでは自由にできない現実がありました。今回、18歳成人となったことで、その辺りの状況が変わってきます。
ひとつ目のメリットは、18歳になれば、自分の意志で起業できることです。「親への迷惑」という心の負担がなくなりました。
ふたつ目は、進路選択の幅が増えたことです。より早く起業に挑戦できることで、進学か就職かという二択ではなく、独立、あるいは「進学しながら起業」という進学と就職の中間点も選べるようになりました。
最後のメリットは、経済的に自立しやすくなったことです。賃貸契約や奨学金の契約も本人の意志のみで進められるようになりました。経済的な理由から学業や起業を諦めていた若者にも、自分で人生を選択できる機会が増えたのです。
18歳成人引き下げによる懸念と求められること
一方で、18歳成人になったことで懸念することもあります。18歳は行動力がある反面、社会経験が乏しいため、多くのリスクがあります。
初めての起業で成功する人は多くありません。失敗を繰り返す中で徐々にコツをつかんでいくものです。壁にぶつかった際の心のケアや孤立支援、お金の教育が必要になるでしょうし、軽い気持ちで起業に挑戦し、お金のトラブルに巻き込まれた若者を救済する仕組みも必要になるでしょう。
おわりに
起業に一番必要なものは、行動力と意志です。18歳成人の引き下げによって、行動力と意志をもっている若者にチャンスが増えたことは喜ばしいことです。
ただ、その輝かしい芽を伸ばすためには、型通りの行政からの支援だけでなく、行政と若者の橋渡し役、孤立している若者の発見など、様々なサポートが必要になります。成年年齢の引き下げは、幅広い層に起業の機会を与えてくれたのかもしれません。
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