次世代光ディスクを共同開発 ソニーとパナが手を組んだ背景
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情報があふれる時代に記録媒体として有望視される光ディスク

ソニーとパナソニックといえば、かつて家庭用ビデオテープ全盛の1980年代、ベータ方式とVHS方式で争ったライバル企業として頭に浮かびます。今回のニュースは、この二社で大容量の記録媒体として有望視されている光ディスクの規格争いをリードしようという動きのあらわれです。
光ディスクは、円盤に記録した微小な凸凹にレーザ光を当てて読み取るという原理に基づくもの、音楽や映像だけでなく文書などの一般データも記録できる非常に優れた記録媒体です。身近な例では、CDやDVDがそれにあたります。また、光ディスクは、大容量のデータを記録できるだけではなく、比較的安価で大量生産が容易で、保存時に温度や湿度の影響を受けにくく防塵性や耐水性に優れるといった特徴があり、大変使い勝手の良い媒体なのです。
現在は情報があふれる時代です。コンピュータ、インターネットが普及し、ほとんどの情報がデジタルデータというコンピュータで取り扱える形式で作成され、保存されるようになってきました。写真、映画、文書、書籍、音楽、然りです。そんな中、日に日に増え続けるデータの長期保存が問題になってきました。最近では、クラウドコンピューティングが可能にした、世界中の情報を収集し解析する「ビッグデータ」に関しても、その膨大な情報の保存方法が必要となっています。企業は大容量かつ信頼性の高い保存方法を求めているのです。
熾烈な規格戦争を避け、アーカイブ市場での主導権を握る狙い
そこにビジネスチャンスを見出したのが、今回のソニーとパナソニック。両社共に、大容量の情報を格納して容易に検索利用できる「アーカイブ装置」の事業拡大を目指しています。アーカイブというのは「書庫」という意味で、映画、映像、文書などを効率よく格納し、取り出せる図書館のようなものです。これを次世代の光ディスクで装置化し、アーカイブ市場での主導権を握ろうとしているわけです。この時に障害になるのが、まだ存在していない業界の共通規格。各社が独自規格を開発しても、最終的に熾烈な規格戦争に勝たなければ意味がありません。過去の家庭用ビデオテープでの経験を教訓に「まずは規格を共同開発し、市場そのものを共同で開拓しましょう」ということになったようです。
開発目標は、ディスク一枚あたり300GB以上。現在のブルーレイディスクの10倍以上の容量を目指し、2015年内を目途に開発予定とのことです。実現すれば、映画業界、放送業界、クラウドデータセンターなどの業界にとっては大きなインパクトとなるでしょう。
企業で「技術」と「経営」の融合を進める専門家
馬場孝夫さん(ティーベイション株式会社)
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